やっと、とは。 ページ27
No side
暫くして二人は離れる。
太宰は眉を下げながら二人の前へ行った。
「悪かったね二人共、秘密にして。そうでないと、入社試験の審査にならなかったから」
その言葉に、敦の頭に今朝の出来事が流れてきた。
___最後は山?___
___海だ___
___了解___
その時は理解できなかったが、今ならはっきりと判った。
鏡花が探偵社員となる為の、『
「若しかして...最初から全部......?」
その問いに、太宰は答えない。
ただ優しく笑っていた。
「街は救われた。敵は打倒され、鏡花ちゃんは合格した。不安もあったが巧くいって善かったよ」
驚き。
喜び。
この二つの感情は混ざり合い、最終的に二人はポカンとしてしまった。
「太宰さん」
そんな中、聞こえてきたのは芥川の声だった。
ヨロヨロとしながら立ち上がる。
「最早邪魔する者は無い。今日こそ...僕の力を」
「如何かな。もう限界だろう」
太宰はため息をつきながら言った。
それもそのはず。
芥川は敦とともに闘い、体はボロボロだった。
「
__強くなったね」
そう言いながら、芥川の肩に手を置いた。
予想外の言葉に、ただ目を見開く。
何年、待ち続けただろうか。
その言葉を。
師から認められることを。
太宰に拾われ、厳しすぎると言っても過言ではない訓練に耐え続けてきた。
認めてもらいたいから、ただその為だけに強くなってきた。
それが今日、やっと__
ドサリ、と倒れる音が響いた。
「ありゃ」
芥川が倒れたのだ。
それは疲労によるものなのか、または......
大丈夫か?、と敦が心配していると今度は拍手が聞こえてきた。
振り向くと、夕日に反射してその人物が付けるピアスが光り輝いた。
『お疲れ様』
「Aちゃん...」
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でんでん - 徳永さんの黒の時代がとても面白いです! (2月26日 0時) (レス) @page7 id: e3b856a7a9 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと - https://cdn.picrew.me/app/share/202005/258388_pj2ocJeQ.png (2020年5月11日 9時) (レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと - ミニ徳永ちゃん (2020年5月11日 9時) (レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと - 夢主徳永ちゃんです!Pcuruで作りました (2020年5月11日 8時) (レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)
るぅと - https://p02.nosv.org/?src=https%3A%2F%2Fcdn.picrew.me%2Fapp%2Fshare%2F202005%2F42922_NjYLl6l1.png&w=600&h=&ext=1&zc= (2020年5月11日 8時) (レス) id: 623f3ee5b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb
作成日時:2018年1月13日 1時