二銃奏とは。 ページ42
No side
織田が叫ぶのと襲撃者が銃を構えるのは、ほぼ同時だった。
「動クナ」
くぐもった声で言い、銃口を太宰に向ける。
けれど太宰は驚きもせず、珍しいものを見るような目で拳銃を見ていた。
「あれだけ撃たれて立ち上がるなんて、驚異的な精神力だね」
二人の襲撃者のいち、一人は絶命して倒れていた。
もう一人は残った力を振り絞り、太宰を道連れにするつもりらしい。
織田は自分の拳銃にゆっくり手を伸ばす。
「君達の組織の名は"ミミック"だ。そうだろう?」
襲撃者は何も答えない。
表情でさえ変えなかった。
「答えを期待しちゃあいない。実際のところ、私は君達を敬畏しているのだよ。これほど真正面からマフィアにぶつかってくる組織はいなかった。そして私のすぐ目の前に、これほど殺意ある銃口を向ける事に成功した者もいなかった」
まるで自宅の庭を散歩するかのように、太宰は襲撃者に向かって歩き出す。
「太宰、よせ」
織田の制止の言葉には目もくれず、襲撃者に語り続ける。
まるで襲撃者を歓迎するかのように近づいていく。
「頼むよ。私を一緒に連れて行ってくれ。この酸化する世界の夢から醒めさせてくれ」
襲撃者が唇を噛み、指先に力が込められる。
__限界点を達した
その時、織田の耳に二つの銃声が聞こえ、路地に閃光が煌いた。
太宰の体が大きくのけぞる。
襲撃者は腕を撃ち抜かれ、声を上げる。
織田の手に銃は触れているが、ホルダーから抜いていない。
前を見ると、Aが襲撃者に銃口を向けていた。
襲撃者が震える腕でAに銃を向けた。
「A!」
織田が叫ぶと同時に、Aの頬に銃弾が掠める。
血が流れるがそれを無視し、獲物を捕らえる肉食獣の様な目で銃を撃った。
銃弾は襲撃者の眉間に入り、そのまま後ろへ倒れ絶命した。
織田が撃つ暇も、黒服達が撃つ暇もなく、襲撃者の命は呆気なく散った。
"たった一人の少女に撃たれて"
織田は、"徳永A"という人物が改めて
「残念だよ。また死ねなかった」
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RANA(プロフ) - 花雫@浮上中さん» ご指摘ありがとうございます! (2018年1月9日 0時) (レス) id: 4350057b28 (このIDを非表示/違反報告)
花雫@浮上中(プロフ) - あんの青鯖野郎です!えっと唐突な間違い指摘ごめんなさい (2018年1月8日 2時) (レス) id: f3cc68df07 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - えーなさん» 14巻。表紙最高でしたね!次巻はやく販売しないかな()そして来年には映画ですね!それも楽しみなんですよ〜!! 続編、さっそくできました。応援ありがとうございます!頑張ります! (2017年12月10日 19時) (レス) id: 4350057b28 (このIDを非表示/違反報告)
えーな(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます!14巻見ました!乱歩さんメインで私も幸せでした〜!そしてまさか探偵社の今後がめちゃくちゃ気になる終わり方で…!すみません、漫画の話はここまでにします笑 続編楽しみにしてます!頑張ってください! (2017年12月10日 19時) (レス) id: 2f759f2211 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます!頑張ります! (2017年11月16日 22時) (レス) id: fcafb99727 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb
作成日時:2017年11月5日 22時