低身長お嬢様とは。 ページ5
No side
もう立ち上がる気力もない。
背景に「ずうん」と尽きそうな程、中也は落ち込んでいた。
「もうひと仕事あるよ。
鎖を壊したのは君だ。私がこのまま逃げたら、君が逃亡幇助の疑いをかけられるよ?」
手前マジで何なんだよ、という目で太宰を睨む。
当本人は口元に笑みを浮かべながら、ある提案をした。
「君が言う事を聞くなら、探偵社の誰かが助けに来た風に偽装してもいい」
「...それを信じろってのか」
「私はこういう取引では嘘をつかない。知ってると思うけど」
語尾に星でも付きそうだ。
一度立ち上がった中也はまた座り込み、諦めた様に口を開いた。
「人虎がどうとかの話なら、芥川が仕切ってた。奴は二階の通信保管所に記録を残してる筈だ」
「あ、そう。予想はついてたけどね」
「用済ませて消えろカス」
怒る気力もなく、外套を片手に持ち立ち上がる。
そして階段の方へ向かう途中、太宰の自 殺志願について話された。
なんでも、今は美女との心中をご所望のようで。
いや知らねぇよ。
だが心優しい中也は「自 殺志望の美女探しといてやるよ」と返した。
「中也___
実は良い人だったのかい?」
「速く死ねって意味だよバカヤロウ」
階段を上りきる前に、中也は立ち止まった。
そして振り返る。
「言っておくがな、太宰。これで終わると思うなよ、二度目はねぇぞ」
流石は幹部。殺気も恰好も充分キマッている。
がしかしこの男、太宰はそれを納得しない。
「違う違う。何か忘れてない?」
モアイ像の如く固まる中也。
星の様に目を輝かせ期待する太宰。
さて、結果は____
「二度目はなくってよ!」
うむ、中々様になっている。
太宰は一しきり笑い、大股で遠ざかる中也の背中に向かって言う。
「あ、Aによろしくね〜」
その言葉の深さを知るまで、あと数時間。
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RANA(プロフ) - 花雫@浮上中さん» ご指摘ありがとうございます! (2018年1月9日 0時) (レス) id: 4350057b28 (このIDを非表示/違反報告)
花雫@浮上中(プロフ) - あんの青鯖野郎です!えっと唐突な間違い指摘ごめんなさい (2018年1月8日 2時) (レス) id: f3cc68df07 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - えーなさん» 14巻。表紙最高でしたね!次巻はやく販売しないかな()そして来年には映画ですね!それも楽しみなんですよ〜!! 続編、さっそくできました。応援ありがとうございます!頑張ります! (2017年12月10日 19時) (レス) id: 4350057b28 (このIDを非表示/違反報告)
えーな(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます!14巻見ました!乱歩さんメインで私も幸せでした〜!そしてまさか探偵社の今後がめちゃくちゃ気になる終わり方で…!すみません、漫画の話はここまでにします笑 続編楽しみにしてます!頑張ってください! (2017年12月10日 19時) (レス) id: 2f759f2211 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます!頑張ります! (2017年11月16日 22時) (レス) id: fcafb99727 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb
作成日時:2017年11月5日 22時