殺さないマフィアとは。 ページ39
No side
織田は路地裏へと逃げ込んだ。
前に一人、後ろに一人。
灰色の襤褸をまとい、手には銃を持っている。
つまり挟み撃ち。万事休す。
男達が狙っているのは、織田が安吾の部屋から入手した白い金庫。
織田も銃を構える。
緊迫した空気が包み込んだ。その時、
「織田作!屈め!」
その声が聞こえた直後、前のめりになり俯せに体を地面へ投げた。
ほぼ同時に、頭上で短機関銃を打つ音が雨のように聞こえてきた。
銃弾の雨に当たり、襤褸の男達は悲鳴を上げ、血を流して倒れている。
そして銃の音が止んだ。
「君は全く困った男だなぁ織田作。君がその気になれば、こいつらなんか一呼吸のあいだに殺せるだろうに」
今にも口笛を吹きそうな表情で太宰は現れた。
太宰が手を差し出し、織田はそれに掴まって立ち上がる。
目線がいつもの高さに戻ったので、太宰の後ろにいるAに気づく。
目が合うと、Aは織田にひらひらと手を振る。
『や〜ほ〜』
「A、太宰といたのか」
『まぁね。それより、大丈夫?』
訊ねるAに頷く。
太宰は少し呆れた様に肩を竦めた。
「織田作、相手は戦闘の
「その通りだ」
「__織田作之助。
何があろうと絶対に人を殺さない信条を持つ奇妙なマフィア」
やれやれ、という風に首を振る。
あれだけの腕があるのに__と。
その言葉に、織田は表情を変えることなく口を開く。
「その手の苦情は何万回も承っている。それよりこの襲撃者だ」
3人の視線は、倒れている2人の刺客に向けられた。
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RANA(プロフ) - 花雫@浮上中さん» ご指摘ありがとうございます! (2018年1月9日 0時) (レス) id: 4350057b28 (このIDを非表示/違反報告)
花雫@浮上中(プロフ) - あんの青鯖野郎です!えっと唐突な間違い指摘ごめんなさい (2018年1月8日 2時) (レス) id: f3cc68df07 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - えーなさん» 14巻。表紙最高でしたね!次巻はやく販売しないかな()そして来年には映画ですね!それも楽しみなんですよ〜!! 続編、さっそくできました。応援ありがとうございます!頑張ります! (2017年12月10日 19時) (レス) id: 4350057b28 (このIDを非表示/違反報告)
えーな(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます!14巻見ました!乱歩さんメインで私も幸せでした〜!そしてまさか探偵社の今後がめちゃくちゃ気になる終わり方で…!すみません、漫画の話はここまでにします笑 続編楽しみにしてます!頑張ってください! (2017年12月10日 19時) (レス) id: 2f759f2211 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます!頑張ります! (2017年11月16日 22時) (レス) id: fcafb99727 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb
作成日時:2017年11月5日 22時