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翼を広げよ、とは。 ページ1

No side


目を見開く鏡花に、Aはクスクスと笑う。


『この徳永さんに隠し事なんざ、20年早いよ泉ちゃん』


微妙にリアルな数字を出す。

言い方が少々...いやかなりムカつくところがあるが、鏡花は納得してしまった。


六ヶ月間、ずっと隠してきたものをAはわかっていたのだ。


この任務で初めて会った鏡花の、心の叫び。


鏡花は下を向く。

この思いは、本来マフィアとしてあってはならない想い(もの)だ。


Aに何と言われるのだろう。


不安と恐怖がじわじわと鏡花を支配していく。





『思いっきり、羽ばたいてみたら?』

「え」




何を言ってるんだこの人、とAを見る。
本人は蜜柑ジュースを飲み干し、残っている氷を見つめていた。





『そんな気持ちがあるなら、思いっきり羽ばたいてみればいいよ』





鏡花の頭の上にはハテナマークしかない。
そんな反応が面白いのか、Aはまた笑った。


目的地に着いたのか、車が走るのを止めた。
ガチャリと車のドアが開く。


「着きました」

『え、もう?まだ泉ちゃんとのお茶会始まったばっかなんだけど』


茶会だったのか、これは。

Aは車から出た後、「あ」と呟き開いたドアから鏡花を見る。


『龍くんがもうすぐ来ると思うよ。素敵な船旅ができるといいね』


ドアが閉まり、静寂に包まれる。

鏡花はAが座っていた席を見た。
すると、そこにはアタッシュケースが置いてある。


何時の間にあったのだろう。


Aが置き忘れたと思い、届ける為そこへ移動する。
よく見ると、なんとアタッシュケースは開いていた。

気になって中を覗く。
そこには驚くべきものが入っていた。


驚き離れるが、Aの言葉が頭に過る。









__思いっきり、羽ばたいてみたら?__









鏡花はある決意をした。

勝敗の行方とは。→



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RANA(プロフ) - 花雫@浮上中さん» ご指摘ありがとうございます! (2018年1月9日 0時) (レス) id: 4350057b28 (このIDを非表示/違反報告)
花雫@浮上中(プロフ) - あんの青鯖野郎です!えっと唐突な間違い指摘ごめんなさい (2018年1月8日 2時) (レス) id: f3cc68df07 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - えーなさん» 14巻。表紙最高でしたね!次巻はやく販売しないかな()そして来年には映画ですね!それも楽しみなんですよ〜!! 続編、さっそくできました。応援ありがとうございます!頑張ります! (2017年12月10日 19時) (レス) id: 4350057b28 (このIDを非表示/違反報告)
えーな(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます!14巻見ました!乱歩さんメインで私も幸せでした〜!そしてまさか探偵社の今後がめちゃくちゃ気になる終わり方で…!すみません、漫画の話はここまでにします笑 続編楽しみにしてます!頑張ってください! (2017年12月10日 19時) (レス) id: 2f759f2211 (このIDを非表示/違反報告)
RANA(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます!頑張ります! (2017年11月16日 22時) (レス) id: fcafb99727 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:RANA | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php?svd=seb  
作成日時:2017年11月5日 22時

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