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テーブルに置かれたスマホの画面を見ると『×××会社 ーー部長』とディスプレイに表示されていた。


「理鶯ゴメン。ちょっと席外すね」

「うむ」


一言理鶯に断りをいれて私はスマホ片手に席を立った。



寝室に戻り“応答”をタップし、挨拶を交わす。それから二、三の言葉を交わし、失礼します、と電話をきった。再びダイニングに戻ると理鶯は既に食後のコーヒータイムに入っていた。淹れ直したコーヒーの香りが鼻腔をくすぐる。マグカップから顔を上げ理鶯が私を見た。


「会社か?」

「うん。大雪で交通網も麻痺しちゃってるから今日は自宅待機だって。明日は元々お休みだけど天気見てだけど出勤して、だって。なんか、今日と明日の休日が入れ替わるみたい。・・・・・・だから、今日はずっと一緒にいれる、ね」


私はにやけが止まらない口元をスマホで隠しつつ、理鶯の背後に回りその首に手を回した。30cmの身長差は座る彼を立つ私が抱きしめるのに丁度良い。首元に顔を埋めると、昨日使った私と同じシャンプーの香りが漂う。理鶯は優しい手つきで自身の首に埋まる私の頭を撫でた。


「小官も一日をAと過ごせて嬉しい。さ、トーストが冷めてしまう」


理鶯の声で顔を上げた。うん。理鶯の言うとおり早く食べて一分一秒でも長く理鶯と過ごそう。席についた私を穏やかな顔で理鶯は見つめている。そんなに見つめられるとちょっと食べにくいなぁ、と思いつつトーストを雑に噛んで飲み込む。大きめの塊が喉を圧迫しながら通ったため少し咽せてぬるくなったココアを飲み干すと、先ほども言ったがちゃんとよく噛んで食べるほうがいいぞ、と呆れ声がかかった。

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Loco - ありがとうございます!幸せ〜 (2021年7月8日 18時) (レス) id: 2cf4de4ba9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:吟鳶樹祈 | 作成日時:2019年1月27日 0時

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