【ヒプノシスマイク】悪天候には甘いココアを (ページ6)

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ちょうど布団を敷き終わる頃に理鶯が寝室へと入ってきた。

「布団で寝るのは久しぶりだな。いつも軍の寝袋で寝ていたからな」

「え、理鶯はベッドだよ？布団は私が寝るの」

たまにしか使わない固くなってしまった布団なんて理鶯に使わせたくない、と思い上記のことを言うと、理鶯は、眉を顰めベッドはAのものだろう、と。

「細かいことはいいから。今日は私が布団で寝たい気分なの」

「それならよいのだが･･････」

まだ少し怪訝そうな顔をしている理鶯だが無理矢理ベッドに寝かせる。

「もう夜も遅いから理鶯寝よ？」

「あと３０分で日付が変わる。確かにもう寝た方がよさそうだ」

そう言って理鶯はベッドに潜り込んだ。私には丁度良い感じのサイズであるベッドも理鶯にとっては小さいようだ。布団でも寝ても結局は同じなのだが。私も布団に入った。押し入れから出したての布団はまだ冷たく私の身体の熱を奪っていく。

「Aは明日仕事はあるのか？」

私は理鶯の方に顔を向けた。

「どうかな。私の会社そこまでブラックじゃないから電車が止まったとかあまりにも酷かったら自宅待機の連絡くるけど。でもなんかお休みになりそうな予感」

「なら、明日は大荒れとなってAの会社が休みになるように祈ろう」

あまりにも理鶯らしくないことを言うので、つい笑ってしまった。

「珍しくずいぶんバチあたりな発言ね」

「恋人と少しでも長く一緒に居たいと思うのは当然であろう････････････A、寒くはないか？」

思いがけない言葉と、とろんとした瞳から理鶯が何を言いたいのかが分かった。つまりは、お互いいい大人だから直接口に出しては言わないが、寂しかった、ってことだ。

私は黙って布団から出て、理鶯の腕の中に潜り込んだ。私より幾分か高い体温は一気に私の身体を温めてくれる。この太い腕に抱きしめられたいってこの一ヶ月間何度思ったのだろう。押しつけられた胸から聞こえる理鶯の心拍が私の心を落ち着かせ、眠気を誘う。

「相変わらずAはぷにぷにしていて抱き心地がよいな」

「理鶯、ちょっとだけバカにしているな？」

「小官はバカにしていない。ただ素直な感想を述べたまでだ」

「理鶯は相変わらずムキムキで抱きしめられ心地がいいね」

「それは褒めているのか」

「素直な感想を述べたまでだよ」

理鶯は私の額に口づけを一つした。それは優しさが溢れ私を完全に眠りに落とした。