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一時間後、呼び鈴が鳴った。髪を乾かす為に使っていたドライヤーをしまい玄関へと向かう。
玄関を開けると、肩に雪を乗せた私の彼氏――理鶯が居た。
「いきなりどうしたんだ、A。こんな時間に会いたいだなんて珍しいな」
「まあまあ取り敢えず中入って。外、もう雪降ってた?」
「そうだな。久しぶりに降っていたな」
「お風呂湧いてるけど、入る?」
「せっかくだ。いただこう」
――邪魔すると言い律儀に靴を揃え部屋に上がっていく理鶯。アメリカ人と日本人のハーフである彼は締まりある体に191cmの長身。何度見てもくらくらする。ここのとこら私も理鶯も忙しく、実際こうやって会うのはおよそ一ヶ月ぶりである。こまめに連絡は取り合っていたとはいえ、やはりリアルの方がずっといい。
「ん?そんなに見つめてきてどうしたんだ?」
私の視線に気づいたのか理鶯が不思議そうな顔をして尋ねてくる。
「一ヶ月ぶりに会えた彼氏さんに見惚れていただけですぅ」
「そうか・・・そんなに期間が空いていたか。小官はAから連絡きた時、Aに会えると知ってとても嬉しかったぞ」
「・・・・・・早くお風呂に入りなさいっ」
さすがに真っ直ぐな瞳でほほえむのはずるくはありませんかっ・・・。私は頬に血が上っていくのを感じ、それを理鶯から隠すために彼の背中を押し風呂場へと押しやったのだ。
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Loco - ありがとうございます!幸せ〜 (2021年7月8日 18時) (レス) id: 2cf4de4ba9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:吟鳶樹祈 | 作成日時:2019年1月27日 0時