可愛い声援 ページ37
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｢……してへんわ、ばかA｣
｢んぶっ、！？｣
何か言った、かと思えば突然グイーっとトントンの肘が私の頬にめり込んだ。｢はよ離れんかい｣なんて台詞つきでぐいぐい、ぐいぐい。
｢なんで！エルボー！いだだだっ｣
｢暑い｣
なんてやつだ。負けじとトントンの腕を掴んで押し返してみるがビクともしない。せっかく私が勇気振り絞って突っ込んできたっていうのに。
そんな攻防を続けていると、傍でくすくすと笑い声がした。それにハッとしてエルボー越しに向こうを覗くと、口元に手をやって微笑む女の子が。
なんて上品に笑うんだ。それに、近くで見ると思ってた以上に可愛い。真ん丸のおめめ、長いまつ毛、ピンクの唇、ふわふわの髪の毛。所謂ゆるふわ系女子。猪系女子の私とは真逆の、圧倒的可愛さ。
｢突然喧しいのがすみません｣
｢いえいえ。噂の幼馴染さんですか？｣
｢……ま、まあ｣
噂のって、おまえ、その子に私の悪口でも言ってたのか。キレちゃいそう。でも彼女、声まで可愛くって、私は何だか肩身が狭くなったように思えて少しトントンの影に隠れた。
｢Aさん、でしたっけ｣
｢うっ、な、なによ……かわいい……｣
｢私、素敵な彼氏がいるので安心してください！｣
｢は、？｣
にっこり、眩しい笑顔を見せた彼女。思わずトントンを見上げた。トントンもこちらを横目で見下ろしていた。
｢……どんまい、トントン。次があるって。何らなら私がいるし｣
｢お前、なんなん？｣
｢だってトントン、その子のこと……｣
哀れみの目を向けながら私は内心｢やった！ざまあみろトントン！｣なんて笑っていた。私こんなに性格悪かったっけ。ぷすぷす、笑ってやるとトントンは眉間の皺を濃くさせて溜息を吐く。
｢あの｣
｢うぇっ！？｣
突然、女の子に声をかけられ肩が跳ねた。それと同時にまたひとつ笑みを零した彼女はひょこひょこと隣にやってきて、そうして小さな顔を私の耳元に寄せた。
｢彼、いつもAさんのことばっかりお話してましたよ。しかもとーっても楽しそうに｣
｢……へ、？｣
｢がんばってください。私、応援してます！｣
がんばる、何を？
それ以上を問う前に彼女は｢それじゃあ｣と綺麗なお辞儀をして駅の方へとすたすた、歩いていってしまった。残されたわたしはぽかん、と間抜けに口を開けて、ふわふわ揺れる彼女の髪を眺め続けた。
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るな？ - 序盤のほうからめっちゃ泣けてました！ドキドキもあるけど感動って作者様神ですか！？ (2022年3月5日 2時) (
レス) @page50 id: 12ba396496 (このIDを非表示/違反報告)
猫大好き - めっちゃ遅れました。完結、おめでとうございます!!私も、成功するかわかんないけど好きな人に、好きって言う勇気が付きました。ありがとうございます!! (2021年2月3日 19時) (レス) id: 932515d6d7 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - もちたさん» もちたさん、こちらこそ最後までお付き合いいただきましてありがとうございます〜！みんなドキドキしてくれ！の精神で書きなぐっていたのでそう言ってもらえてはちゃめちゃに嬉しいです…！本当にありがとうございました！ (2021年1月28日 22時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - ネこさん» ネこさん、コメントありがとうございます〜！イッキ見！楽しんでいただけたようでとっても嬉しいです…！最後までありがとうございました！ (2021年1月28日 22時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
もちた - ちょっと遅れてしまいましたが、完結、おめでとうございます...!こんなにドキドキできた作品は初めてです...本当に...ありがとうございます(た)...! (2021年1月26日 20時) (レス) id: d31df64977 (このIDを非表示/違反報告)
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