幼馴染と恋する方法 ページ48
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｢⎯⎯⎯まぁたわたしのタコさんウィンナー横取りした！｣
｢トマト食ってやったんやからええやろ｣
｢こうやってどんどんブタちゃんになってくんだ｣
｢可愛くないこと言う口はコレか｣
｢いひゃいっ！？｣
ついこの間、晴れて恋人という枠に収まった私たち。けれどやっぱり踏み出した先にあったのは幼馴染の頃と何一つ変わらない日常だった。
馬鹿にし合って、叩いて、笑って、勝負ごととなればやっぱり負けなんて許さない。いまいち恋人になりきれない私たちは、それでもこの関係に満足していた。……いや、私にはまだちょっと、足りないことがあるんだった。
｢もー…すぐほっぺ抓る……｣
｢喧嘩売るお前が悪い｣
｢いいや私のタコさんウィンナー食べたトントンが悪いね。……ところで、いつ結婚する？｣
｢お前が残しとくから……う、ん？｣
｢トントンとえっちしたい、子供産みたい、結婚したい、なーんて思わないって前に言ったけど、今は全部したいって思ってるよ。で、どうする？｣
空になったお皿を重ねていた彼の手がピタリと止まる。
｢……い、や、いやいや、今の会話からどうしてそこに継がんねん｣
｢意気地無し｣
｢いっ、…｣
別に急ぐ必要はないのだけれど、あんまりにも幼馴染からの変化がないから少しだけ揺さぶってやりたかった。馬鹿にすれば負けず嫌いの彼は必ず食い掛かるはず。……だと思ったんだけど。
｢……その、な？ 俺やってなんも考えてへんわけやないで。お前との結婚、とか、子供とか、…だ、抱きたい、とか。ただな、お前と違ってこういうの、慣れてへんねん。……もう少しだけ心の準備とか、させてや｣
｢……そういえば童貞だったね｣
｢喧しいねん｣
おかしいな、ちょっとだけ可愛い、なんて思っちゃった。照れくさそうにそっぽを向いたトントンの背中に飛びつけば｢重い｣なんて言って振り落とされて、またふたりの噛み付き合いが始まる。
幼馴染から恋人へ。名前が変わっても中身はそう大して変わらないものだった。けれどふたりは恋をして、認めあって、昔とはほんの少し違う関係に幸せいっぱいの笑顔を浮かべるようになった。
幼馴染と恋する方法は案外簡単だ。どっちも素直になること！ なんて、これは負けず嫌いが過ぎる私たち限定かもしれない。でも、答えはそれに尽きるでしょ。馬鹿な私たちには恋ひとつも難しかったけれど、きっと恋を知ったこれからの方が大変かもね。
｢幼馴染と恋する方法｣ end
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るな？ - 序盤のほうからめっちゃ泣けてました！ドキドキもあるけど感動って作者様神ですか！？ (2022年3月5日 2時) (
レス) @page50 id: 12ba396496 (このIDを非表示/違反報告)
猫大好き - めっちゃ遅れました。完結、おめでとうございます!!私も、成功するかわかんないけど好きな人に、好きって言う勇気が付きました。ありがとうございます!! (2021年2月3日 19時) (レス) id: 932515d6d7 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - もちたさん» もちたさん、こちらこそ最後までお付き合いいただきましてありがとうございます〜！みんなドキドキしてくれ！の精神で書きなぐっていたのでそう言ってもらえてはちゃめちゃに嬉しいです…！本当にありがとうございました！ (2021年1月28日 22時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - ネこさん» ネこさん、コメントありがとうございます〜！イッキ見！楽しんでいただけたようでとっても嬉しいです…！最後までありがとうございました！ (2021年1月28日 22時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
もちた - ちょっと遅れてしまいましたが、完結、おめでとうございます...!こんなにドキドキできた作品は初めてです...本当に...ありがとうございます(た)...! (2021年1月26日 20時) (レス) id: d31df64977 (このIDを非表示/違反報告)
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