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「たらいまぁ」
送り届けてくれたチーノくんとマンション下でお別れして、ふらふらと辿り着いた自宅の玄関扉を開ける。時間は既に日付を超えていて、トンくんは既に寝てしまっているだろう、と思っていたのだがリビングには明かりがついていた。
起きているのならいつも通り出迎えてくれる筈なのに、駆け寄ってくる足音は聞こえない。
「……とんくん？」
静かに靴を脱いでリビングの扉を開けてみる。
そしたらなんと、ソファーの上に座ったまますやすやと眠ってしまっているトンくんを発見した。眼鏡も外さずに、膝の上には開いたままの小説。どうやら寝落ちしてしまったらしい。
このままじゃ身体を痛めてしまうし、風邪を引いてしまうかもしれないので申し訳ないが一旦起こそう。そう思ってトンくんの肩を軽く揺さぶった。
「とんくん、おきて、お布団はいってー」
「……んん、」
数回揺さぶれば、トンくんが小さく呻き声を漏らして俯かせていた顔をゆっくり上げた。薄く瞼が押し上げられて綺麗なルビーの瞳を覗かせる。
「……A、？」
「うん、そうだ、っよ、！？」
掠れた声で私の名前を呼んだトンくんが、不意に私の腕を掴んでぐいっと引き寄せた。あまりにも突然のことに驚き目を見開く。
咄嗟にソファーの背もたれに手をついて倒れ込むことはなかったが、彼はぎゅっと首に腕を回して私を抱きしめた。
「約束、守れへんかった」
「……え、？」
「ごめん、ごめんな。怖かったやろ、分かっとったのに俺、……っ、」
約束？怖かった……？
何かに謝るトンくんの声は震えていた。彼の言う約束も、謝罪の意味も私には全く分からない。
だけど、分からない筈のその言葉に酷く胸が苦しくなるのはどうしてだろうか。
「……泣いてるの？」
「俺の、せいで、」
「トンくん、……トントン、泣かないで」
「っ、」
「大丈夫だよ、トントン」
彼にかけた私の言葉は殆ど無意識に口から溢れ出た。何が大丈夫なのか、言った私自身がさっぱりだが、何となくそう言ってあげたくて。
トンくんの大きな背中をゆっくりと撫でて、大丈夫、大丈夫だよ、とあやすように声をかける。
そしたら、どうしてかじわりと目元が熱くなってきて、瞬きすれば自分の両目からぽつりと涙が落ちた。
あれ、何で私まで、泣いてるんだろ。
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ぴぷ(プロフ) - みおさん» みおさん、初めまして！一番！？嬉しすぎて泣きましたありがとうございます(；；)更新頑張ります〜〜！♪ (2019年12月26日 23時) (
レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
みお - 初めまして、いつも更新楽しみにしております！tんさんのお話で一番好きです.......この先の展開がとても気になってドキドキワクワクが止まりません！これからも更新頑張って下さい(○´ｰ`○) (2019年12月26日 11時) (レス) id: 0d2c4c6642 (このIDを非表示/違反報告)
鯉口(プロフ) - ぴぷさん» ほんと！？楽しみにしてるね！！(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2019年12月26日 0時) (レス) id: ad6d0057cd (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - 鯉口さん» 鯉ちゃん(*><*)ありがとう〜〜〜！続編は明日上がる気がするので続きも是非ぜひよろしくお願いいたします♪♪ (2019年12月26日 0時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - taka10さん» 訂正ありがとうございます(*><*)長い話になってしまってますがこの先も是非よろしくお願いいたします♪ (2019年12月26日 0時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
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