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無事に仕事を終え、トントンの車に乗り込んだのが二十一時の少し前。チラ、とスマホを確認してみればトンくんから「お疲れ様。待っとるから、気を付けて帰ってくるんやで」と優しい返事が来ていた。
「うう、さぶい」
「秋も終わりやなぁ。ほら、膝に掛けとき」
「あ、助かる。ありがと」
車内はすっかり冷え切っていて思わず身震いすれば、トントンが後部座席から引っ張り出してきたブランケットを私の膝の上に放り投げる。
普段ちょっと口は悪いけど、こうやって気遣いの出来る優しさがあって、尚且つ営業成績は優秀だし顔は良いし収入も安定だし。いい所ばかりが目立つトントンはその気になれば彼女の一人くらいすぐ作れるだろうに、何で一向にその気配が無いんだろうか。
「トントンって結婚願望無いの？」
「は？何や、急に」
「全然彼女作らないから興味無いのかなって」
「……まぁ、ないこともないけど。Aはどうなん？お前こそ彼氏作らへんやんか」
「私？周りの子達が話してていいなぁ、とは思うけど、そういう人が現れないというか」
「そーなんか」
「ほら、覚えてる？学生の頃、私一回だけ彼氏作ったでしょ」
「あぁ、俺のせいで速攻振られてもうた可哀想な奴がおったなぁ」
「そうそう。結局トントンと一緒にいる方が楽しくって、その時から私の理想はトントンを超える人になっちゃってるんだよね。そんな人いるかなぁ」
「ふは、どうやろなぁ。そんなこと言ったら俺やって同じやで。手のかかるお前放って他の女の相手なんて出来ひんわ」
赤信号で停車した瞬間に、トントンが片手でくしゃりと私の髪を乱雑に撫で回した。
此方に向けられた真っ赤な双眸が細められて、酷く優しそうに、それでいてどうしてか寂しそうで、苦しげな笑みが浮かべられる。
＿＿＿＿あぁ、それだ。
時折浮かべられるその笑みを見る度にじくりじくりと胸が締め付けられるのだ。
同時に思い出したのは、トントンがその表情を見せるようになったのが先程言った彼氏と別れた、と告げたあの日からだったということ。そうだ、その時にとても違和感があったことを覚えている。
昔はそんな風には笑わなかったのに、私の知らない表情を浮かべる彼は何処か、とても遠くを想っているように思えてしまって。
「(じゃあ、私にしておけばいいのに)」
「(なら、俺でええやん。なんて言ったら、どっちに転がるんやろか)」
そんな独り言は、胸の奥に隠しておく。
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ぴぷ(プロフ) - みおさん» みおさん、初めまして！一番！？嬉しすぎて泣きましたありがとうございます(；；)更新頑張ります〜〜！♪ (2019年12月26日 23時) (
レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
みお - 初めまして、いつも更新楽しみにしております！tんさんのお話で一番好きです.......この先の展開がとても気になってドキドキワクワクが止まりません！これからも更新頑張って下さい(○´ｰ`○) (2019年12月26日 11時) (レス) id: 0d2c4c6642 (このIDを非表示/違反報告)
鯉口(プロフ) - ぴぷさん» ほんと！？楽しみにしてるね！！(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2019年12月26日 0時) (レス) id: ad6d0057cd (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - 鯉口さん» 鯉ちゃん(*><*)ありがとう〜〜〜！続編は明日上がる気がするので続きも是非ぜひよろしくお願いいたします♪♪ (2019年12月26日 0時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - taka10さん» 訂正ありがとうございます(*><*)長い話になってしまってますがこの先も是非よろしくお願いいたします♪ (2019年12月26日 0時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
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