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何で、俺はあの瞬間泣きそうになった？
ただ彼女の綺麗な髪に触れて、素直な感想を口しただけだった。銀色の髪がさらりと指の間をすり抜けて、それを目で追っていたら急に鼻の奥がツンと痛んだのだ。じわりと目頭が熱くなって、Aから掛けられた声に咄嗟で反応した声は少しだけ震えてしまった。
ただ、純粋に綺麗だと感じていた。積もったばかりの雪のようなその銀色は冷たい印象を受けるのに触れるとふわりとしていて、冷たさなんてこれっぽっちも感じない。本当に、綺麗な髪だ。
そんな感情を見て見ぬ振りして、誤魔化すように違う話題を無理矢理口にしていく。
再び髪に滑らせた手を止めず喋り続けていたのだが、ふと途中でAからの反応が無くなっていることに気が付いた。
「A？」
「……」
「……寝とる？」
粗方乾いたのでドライヤーを止めてAの肩を叩くが反応無し。ソファーから降りて覗き込んでみれば、顔を俯かせた彼女の瞼は完全に落とされていた。
どうしよ、これ。少し考え込んで、部屋まで運んでしまおう、とAの小さな身体を抱え上げた。
体格差がかなりあるせいで自分が抱えると余計に小さく見えてしまう。腕の中ですやすやと眠ってしまっているAに一応「入るで」と断りを入れてから普段は立ち入ることの無い彼女の部屋へと足を踏み入れた。ここに入るのは最初の探索以来だ。
女性の割にはガラッとしていてシンプルな部屋。目に映るのは最低限の家具とパソコン、後は小説が並ぶ本棚くらいである。
Aをベッドの上にゆっくりと降ろしてから掛け布団を肩まで掛ける。さっきまでの様子じゃ余程疲れていたんだろう。
お疲れさま。ゆっくり休んでな。
「おやすみ、A」
さらりと落ちた前髪をすくい上げて、額にキスを落とす。
そして離れてから、俺はピシリと硬直した。
さも当たり前のようにキスしてしまったが、いやいや、待て。何しとんの、俺？完全に無意識に行われた行動に自分で驚いてしまう。
「……日本では、挨拶と一緒にキスしないから、急にされるとドキドキして死んじゃうよ、私」
「！？」
追い打ちをかけるようにそんな声がして思わず肩を跳ね上げた。視線を下へ向ければ、ほんのりと顔を赤くさせたAが照れくさそうにはにかんでいる。
いや俺の国でもしません、とは言えず、何とか振り絞った声で「そうなん？」なんてすっとぼけることしか出来なかった。
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ぴぷ(プロフ) - みおさん» みおさん、初めまして！一番！？嬉しすぎて泣きましたありがとうございます(；；)更新頑張ります〜〜！♪ (2019年12月26日 23時) (
レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
みお - 初めまして、いつも更新楽しみにしております！tんさんのお話で一番好きです.......この先の展開がとても気になってドキドキワクワクが止まりません！これからも更新頑張って下さい(○´ｰ`○) (2019年12月26日 11時) (レス) id: 0d2c4c6642 (このIDを非表示/違反報告)
鯉口(プロフ) - ぴぷさん» ほんと！？楽しみにしてるね！！(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2019年12月26日 0時) (レス) id: ad6d0057cd (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - 鯉口さん» 鯉ちゃん(*><*)ありがとう〜〜〜！続編は明日上がる気がするので続きも是非ぜひよろしくお願いいたします♪♪ (2019年12月26日 0時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - taka10さん» 訂正ありがとうございます(*><*)長い話になってしまってますがこの先も是非よろしくお願いいたします♪ (2019年12月26日 0時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
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