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｢お前は女に興味が無いとばかり思っていたが、なるほど。こういったのが好みであれば、確かにこのロスサントスではなかなかお目にかかれんだろうな｣
よくわからないが悪口を言われている気がしてならない。至近距離で眺められるのは居心地が悪く、助けてくれと隣のトントンへ視線を向ければ彼はため息ひとつ零してから頬を掴む金髪男の手を叩き落とした。
｢つまらん勘繰りはやめや、グルッペン。そんなことのために呼んだわけやないやろ｣
｢当たり前だ。お前の女の好みなんぞ毛程も興味無い｣
｢そうやろな｣
トントンの平坦な声がまるで私に対し、僅かにもそんな気は無いと言っているようで少し居た堪れない。別に期待していたわけではないけれど、女としては複雑なものだ。
またぐっと腕を引かれ、トントンは私をソファーへと引き摺った。先に腰を下ろした彼の隣に身を縮こまらせながら座ると、向かいには金髪男がどっかりと座り込んで無駄に長い足を組ませる。そうしてひとつ、咳払いをした彼はやはり私の顔をじっと見つめたまま口を開いた。
｢グルッペン・フューラー、この屋敷の
｢あ、えっと…わたしは、｣
｢A。風音 Aだな。聞いたゾ、メイニーの莫迦に飼われ違法レースでギャング共を食い物にしていたと。お前のお陰で奴らの裏カジノは大盛況だったらしいな｣
……不本意ながら、勝手に自分を知られていることにはもう慣れてしまった。一体誰に、どこまで筒抜けなのかは知らないけれど、わざわざ語る必要がなくて楽だと前向きに考えよう。私は曖昧に笑って返した。
｢走り屋として、それほど悪くはない世界だっただろう。莫迦を騙して巻き上げた金で生きるのが厭、なんて綺麗事を抜かすタマでもあるまい。何故逃げた？｣
｢……逃げたわけじゃ、ない。その…｣
｢なんだ｣
｢……狭くって、息苦しくて、不自由だなって思って。私は最後の瞬間まで…ただ、自由に走りたかったの｣
この国は自由を謳うくせして、酷い生きづらさを感じるほどの不自由に満ちている。自由だと狂ったように高嗤うのはほんの一握りの莫迦どもだけで、大概の人間は何か大きな存在に鎖を繋がれ、飼い主の手の内にある狭苦しい世界の中で自由を錯覚しているだけに過ぎないのだ。ああ、私も、そうだった。
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ぴぷ(プロフ) - Adlerさん» Adlerさん、はじめまして！ｺﾒﾝﾄありがとうございます~！そう言っていただけてとっても嬉しいです！わたしもﾃﾝｼｮﾝﾌﾞﾁ上げで頑張ります！ (2020年10月11日 14時) (
レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
Adler(プロフ) - 初めまして！コメント失礼します！The戦争屋の小説でテンション上がっています！更新頑張ってください！！ (2020年10月11日 11時) (レス) id: 17a3f4fea4 (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - レーナ（アンテファン）さん» レーナさん、コメントありがとうございます！面白いと言っていただけてとっても嬉しいです☆ 更新がんばります~！ (2020年10月7日 22時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
レーナ（アンテファン） - 面白い小説を発見☆頑張ってくださいー (2020年10月6日 22時) (レス) id: c89295cbe6 (このIDを非表示/違反報告)
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