私の友人と、彼の仲間 ページ48
.
「すまん、エーミールとちょっと話してもうた」
「エミさんと？……え？」
「その、図書館行ったら鉢合わせてな。まさかあいつのそっくりまで居るとは思わんくて、ほんまビックリしたわ……」
今日もトンくんの作ってくれた夕飯が美味しすぎる。なんて感動を噛み締めていたら、不意にトンくんが申し訳なさそうに眉を下げながらそう切り出した。
エーミールと話して、そっくりで、びっくりした……？エーミール、というのは、私の友人のあだ名で、……え？
「……っええ！？ま、待って、エミさんのそっくりさんと知り合いなの！？」
「お、おん。仲間のひとりやねん」
……そ、そっか、そもそもトンくんがトントンのそっくりさんなのだから他のそっくりさんがいても別におかしなことではないのか。
仲間のひとり、ということはトンくんの知っているエミさんは軍人なのだろうか。……なんか、似合うような、似合わないような。
何となく頭の中で軍人エーミールを想像してみるが、どうにもあのぽわぽわとした印象が強くてちょっとアンバランスな感じがする。また違った性格の彼がいるのかな。それはそれで見てみたいかもしれない。
「直ぐに用事あるからって退散したんやけど、仕事休みかって聞かれて咄嗟にそうって答えてもうた」
「ま、まあ、何とかなるよ」
「あとな、あいつがゾムの名前口にしとったんやけど、それも知っとる名前やねんなぁ。もしかして他にもおるんかなって」
「……まさか」
他のそっくりさんまで？……ううん、ゾムかぁ。普段は爽やかお兄さんしてるけど恒例の食害中はサイコ感溢れてるし、確かに彼なら軍人も似合うかも。
トントン、エーミール、ゾムと来たらもう、他の奴らもいるに違いない。そう思って床に転がせていたスマホを手に取り、溢れかえった彼らの写真をトンくんへ見せることにした。
「これ、ゾムだよ。隣がシャオロンね」
「……！やっぱり、同じや。シャオロンも知っとる」
「コネシマと大先生、ロボロ、エミさん、ひとらん、オスマン、ショッピくん、チーノ、しんぺい神、兄さん、」
「……」
「で、トントンとグルッペン。……どう？みんな、知ってる顔？」
ゆっくり写真をスクロールして、よくつるむ友人たちを紹介していく。学生時代からの繋がりだったり、仕事繋がりだったり、はたまたネットで知り合ったりと、出会い方は様々。個性豊かで、一緒に居て飽きることの無い最高の友人たちである。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 660人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぽっぷこーん(プロフ) - CSSのON/OFF出来るようにしてくれると嬉しいです。デフォに慣れてるとあまり落ち着かなくて……無理でしたらすみませんが、ご検討よろしくお願いします。めちゃくちゃ面白くて好きです。見てる途中です (2021年11月4日 17時) (
レス) id: 23b3a74ded (このIDを非表示/違反報告)
都 はなれ(プロフ) - はじめまして、ひぷさんの他作品から来たものです。CSSが切れないので設定の方変えていただくことは可能ですか？都合のお願いで申し訳ありませんがよろしくお願いします。 (2021年2月6日 22時) (レス) id: 70f991d98e (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - 倉の中の石さん» 倉の中の石さん、初めまして！そう言っていただけるととっても励みになります。ゆっくり更新になってしまいますが、是非この先も楽しんでいただけたら幸いです。 (2019年11月21日 18時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
倉の中の石(プロフ) - めっさ面白いです！夢主ちゃんがヒロインヒロインしてなくて非常に好感が持てますね！更新頑張って下さい。応援してます！ (2019年11月20日 2時) (レス) id: b9ac23ea5c (このIDを非表示/違反報告)
ぴぷ(プロフ) - 零さん» 零さん、初めまして！お目通しいただきありがとうございます。上手く違いを出せているのかとても心配だったのでドキドキしていただけてとっても嬉しいです！これからもどうぞ、当作品を宜しくお願いいたします。 (2019年11月10日 23時) (レス) id: def2dae9c2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
