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「めっっっちゃくちゃ緊張した…」

「疲労感がえぐい…」


甘酸っぱいアオハル雰囲気はどこへやら。

二人仲良く机にバタリ。


火照った顔に机の無機質なひんやり感がなんとも気持ちいい。


「心臓痛ェ…」

「えっ。萩原くんってこういうの慣れてるんじゃないんですか?」

「んなわけあるかぁ!ドッキドキだわ!!!」

「またまたぁ。あのモテモテのケンジくんがドッキドキだなんて」


開けてあったチョコのお菓子をムシャムシャしながら可愛くないことを言ってるなぁと自覚はある。

照れ隠しで無駄に口が回るんだから仕方ない。生来こういう人間なんだ。もう少しだけ可愛らしくありたかったとは思うけど。


「いやほんと…だって…待って、まじで吉岡俺のこと好きなの??」

「さっきそう言ったじゃん」


何言ってんだ今さら。ほんの数分前恥を忍んでちゃんと告白したじゃんか。


「いつから?」

「…気づいたら…?」


わかりにくすぎると深い溜め息を吐かれた。


「そう?私はなんとなく両思いだろうなって思ってたんだけど」

「そりゃ俺はアピールしてたから」

「私も萩原のご好意を素直に受け取ってわかりやすかったと思うんだけど」

「全然今までと変わりなかったです」


むくりと起き上がり別のお菓子をあけてポリポリ食べ始めた萩原を小動物を見るような気持ちで見つめる。


「私としては好きじゃない人と何回も二人で出かけるとか家に誘うとかしないんだけどな」


徐々に萩原の顔が赤に染まっていく変化の様子が簡単な理科の実験を見ているようでちょっと面白い。


「…なんか、悔しい」


何がだろうと首を傾げるとゆっくりと伸びてきた萩原の手が柔らかく優しく私の髪に触れてきゅっと心臓が跳ねる。


「告白も突き詰めたら吉岡からな気がするし…俺ばっかドキドキさせられてる」

「…そんなことないよ」


髪の毛をハラハラと広げたり撫でたり。時々自分よりも太い指が耳のふちに触れるたびどきっとする。

私だって今現在ドキドキさせられているのに何言ってんだ。


「…こーゆーこと、これから普通にやっていいんだよな」

「まあ…」

「やばいな、付き合うって」


溶かされてしまいそうなほど甘い視線。


この人私のこと好きなんだなぁと思った途端ぶわああっと顔に熱が集まった。


「…っ」


それを隠そうと咄嗟に出た手はするりと萩原に絡め取られ、


「…可愛い」


その言葉のせいでさらに熱が全身に回った。

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理那(プロフ) - ありがとうございました。本当に素敵なお話でした。 (2020年7月7日 16時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
かものはし子(プロフ) - お萩さん» コメントありがとうございます(*^^*)頑張っていきます! (2019年5月17日 22時) (レス) id: e4c7a737a2 (このIDを非表示/違反報告)
お萩 - わー!とっても素敵ですね!ふるやさんこわーい「棒」 これからも頑張ってください (2019年5月17日 20時) (レス) id: c0a94bdd1a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かものはし子 | 作成日時:2019年5月16日 3時

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