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「急に、え、え?なんっ、そ……え!?」
意味がわからず視線を泳がせ頭を振る私にお構いなしといった感じで降谷くんは笑いながら二杯目を煽る。
「なんか、楽しいですね」
「どこら辺が!?」
もしかして降谷くんはお酒弱いのか?私より酔ってたりする?
ていうか、
「あの、そういう方って…どういう意味ですか?」
あんまりいい意味ではない気がして彼を睨みつけるようになってるかもしれないがなんというかそれはもう降谷くんのせいだと思う。
当の本人は一瞬とぼけたような顔をしてから私の視線の鋭さの意味を察したようにすみませんと苦笑した。
「悪い意味じゃなくて。僕たち昔の知り合いではあるけど友人とまでは言えないと思うんです」
「わかりますわかります。友人かと聞かれたらたぶん友人ではないですよね」
ウンウンわかるわーと首を縦に振りつつ次は何を飲もうかなと考える。
「でしょ?だからなんとなくAさんとは初対面の感覚でお話してたんですよ」
「昔の知り合いっていっても数回会ったくらいですもんね。正直、私も猫被って降谷くんと話してますよ」
…ダメだな。さっきから口が緩い。思ってることそのまんま出てきちゃう。
言っても大丈夫なこととか言わなくてもいいこととか判断する前に全部言ってるような気がする。
たしかさっきまで重めの空気だったはずなんだけどな。
まあ、考えたって仕方ない。酔ってるし。
「だから今、Aさんの本音みたいな部分が垣間見えて実はこういう人なのかって認識が改まったんですけど、不快に思われたらすみません」
「納得です。私のほうこそ噛みついてしまってごめんなさい」
ぺこりと下げた頭上からくすくすと笑う声。
「酔ってます?」
「…ちょっとだけ」
「僕もです」
「素面のときにはきっと言わないようなことを口走ってると思います」
「あはは、いいんじゃないですか」
イケメンが笑ってる〜と縁起のいいものを見てるような、なんかいい気分だなぁとふわふわした思考のせいで
「…なんか、懐かしい」
無意識にそう口にしていてすぐさまえっ、と自分でも驚いた。
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理那(プロフ) - ありがとうございました。本当に素敵なお話でした。 (2020年7月7日 16時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
かものはし子(プロフ) - お萩さん» コメントありがとうございます(*^^*)頑張っていきます! (2019年5月17日 22時) (レス) id: e4c7a737a2 (このIDを非表示/違反報告)
お萩 - わー!とっても素敵ですね!ふるやさんこわーい「棒」 これからも頑張ってください (2019年5月17日 20時) (レス) id: c0a94bdd1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かものはし子 | 作成日時:2019年5月16日 3時