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liqueur:1*再会 ページ2

前の会社をやめた。結構ブラックでやってられなくなったから。

働き詰めだったからお金はあり、

新しい仕事を機に引っ越しをした。


今日がその日。



「んう〜〜〜〜〜」


朝からずっと荷解きをしていたせいでバキバキになった体をおっさんみたいな唸り声を出しながら思い切り伸ばす。

窓の外を見るともう暗くなっていた。


え、今何時。

時計を見ると七時前。

時間経つの早いな。


「…そういえばお腹空いたな」


ちょこちょこ休憩してたものの朝ご飯以降何も食べてないや。ずっと無心で荷解きしてた。


「ご飯ご飯」


少し汚れたTシャツとパンツをあとで洗濯機に突っ込めばいいや、とベッドの上に脱ぎ捨てて


近くにファミレスとかあるかな?

コンビニのご飯…は、まだ部屋汚いからな〜。


なんてぐるぐる考えつつワンピースに着替えてお財布とスマホを鞄に放り込んだ。

さすがにダサいサンダルは避けてヒールのないパンプスを突っかけご飯を求めに外に出た。







知らない土地だからどこに何があるか把握しないまま適当に歩いてみる。

何食べようかなー。今ならパスタ三人分いける気がする。あーサラダ食べたいなー。

そんな思考のせいでどんどんお腹の音が大きくなってきたとき。


「あ」


雑音に紛れて小さな声を零した。

視線の先にはガラス越しに店内が覗ける喫茶らしきお店。


…人が少ない。てことはたぶん静かそう。

ファミレスの騒がしい感じも好きだが今は静かでゆったりしたところがいい気分。


そう考えている内に足はどんどん店に向かっていてあっという間にその店の扉を開けていた。


「いらっしゃいませ」


カランコロンと響く音でこちらに笑顔を向けた店員さんはお好きな席にどうぞと続けた。


壁側の席に座りさっそく置いてあるメニューを開いて見ていると「どうぞ」と店員さんがお絞りとお水を置いてくれた。


「ありがとうございます」


メニュー表から顔を上げにこりと愛想笑いをしたところで初めて店員さんの顔を認識した。


うわ、イケメンだ。



……


…………あれ?


……ん?

なんか…この人見覚えある気が…する…?



そう思ったのは一瞬で、その店員さんの名前が頭にパッと浮かんだ。



「ふるや…さん?」

liqueur:2→←動かない時計の針



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理那(プロフ) - ありがとうございました。本当に素敵なお話でした。 (2020年7月7日 16時) (レス) id: db0db57d74 (このIDを非表示/違反報告)
かものはし子(プロフ) - お萩さん» コメントありがとうございます(*^^*)頑張っていきます! (2019年5月17日 22時) (レス) id: e4c7a737a2 (このIDを非表示/違反報告)
お萩 - わー!とっても素敵ですね!ふるやさんこわーい「棒」 これからも頑張ってください (2019年5月17日 20時) (レス) id: c0a94bdd1a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かものはし子 | 作成日時:2019年5月16日 3時

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