２９．彫られた ページ32
彼の酸素が着れないように、細心の注意を払いながら進む
暗い暗い海の中を、ただただ進む
特に、目的地がある訳でもない
ｻﾞﾊﾟｯ
ｾﾂﾅ「あっ……」
無意識のうちに、私はあの入り江に来ていた
ジョットと出会ったあの入り江に来ていた
最後に見た入り江と何も変わらない
本当に８０年も経っているのか疑いたくなる
彼を砂浜に寝かせ、私は入り江の中を動ける範囲で動き回った
何かジョットがメッセージでも残してないかな、と思いながら……
入り江の中をぐるぐる回って、私は一つの岩の前に来た
あの日は砂浜の所にあった岩だけど、今は満潮だから私でも行ける
ジョットに足を貰って、座らされた岩
よく見ると、あの日より苔が多い気がする
ｾﾂﾅ「……ん？」
これは……文字？
何か書いてある！
私はすぐに、張り付いている海藻とかを取り除いた
ｾﾂﾅ「Givro eterna amicizia ……？」
これって…
ｶﾁｬ
私は懐中時計を手に取り、写真を外した
その下に彫ってある文字
“Givro eterna amicizia”
同じだ…
“永久の友情を誓う”
岩に彫ってるからちょっと形が歪だけど、ジョットの字だ
ジョットが彫っていったんだ…
彫ってある文字に触れ、そっと上からなぞる
ふと、その隣に目がいった
“元気にしてるか”
“究極に、何度でも来るぞ！”
“今日、Ｇに怒られたものね”
“君がいないと、ジョットが仕事をしないよ”
“セツナの為に、曲を作ったでござるよ”
みんなの字だ…
あ、まだあっちにも続いてる……
“何度も、何度でも君を探しに行く”
“今日は雨月が母国の料理を作ってくれた。今度一緒に食べよう”
“セツナの声が聞きたい”
“ナックルが新しい技を編み出したようだ”
“ここ最近、雨が降り続けている。海も荒れているようだから心配だ”
ﾎﾟﾀ… ﾎﾟﾀﾀ…
色んな岩に彫り刻まれた、みんなの言葉
他愛のない事から、私のことを心配する言葉まで……たくさん
自然と涙があふれてくる
言葉の一つ一つを目に、心に焼き付けた
“オレは、日本へ行く”
一番最後の言葉は“これ”だった
彼の言った通り、ジョットは日本に行っている……
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レナ(プロフ) - はい！ (2015年3月18日 0時) (
レス) id: 4fb655bc62 (このIDを非表示/違反報告)
ロギ(プロフ) - レナさん» ふぁぼ機能があればいいのに…。週末にはまた更新します(b･ω･)b (2015年3月17日 23時) (レス) id: 094c99e7b6 (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - 泣けます (2015年3月17日 23時) (レス) id: 4fb655bc62 (このIDを非表示/違反報告)
ロギ(プロフ) - レナさん» ありがとうございますっ(●´_ _)ﾍﾟｺ そう言ってもらえると、すっごく励みになります!! (2015年3月17日 23時) (レス) id: 094c99e7b6 (このIDを非表示/違反報告)
ロギ(プロフ) - 実さん» おおぉ…!! ありがとうございますっ(*`∀´*) ちゃんと伝わっていて嬉しいデス!! (2015年3月17日 23時) (レス) id: 094c99e7b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ロギ | 作成日時：2014年9月7日 17時
