２８．海水を ページ31
夜の静けさを破るような銃声が響いた
ﾊﾟｧﾝｯ!
次の瞬間、真っ赤な血を飛び散らせて倒れる青年
その光景が、スローモーションのようにゆっくりと見えた
ﾊﾞｼｬｯ
浅瀬にいたから、彼は海の中に倒れた
そして、じわじわと血が溢れ、海が赤く染まっていく
一瞬、頭が真っ白になった
ｾﾂﾅ「……ﾊｯ しっかりして！ねぇ…目を開けて！！」
彼を抱き上げ、顔を覗き込む
「うぅ…」
良かった
まだ、死んでない
ｶﾁｯ
崖の方から音がした
次は私に照準を合わせている……
私はすぐに、頭をフル回転させた
どうやったら助かるのか
どうやったら彼を守れるのか
咄嗟に、右手で海水をかき上げた
かき上げた海水は、重力に逆らうようにその場にとどまり続ける
その海水は、“弾丸”のような形をしていた
そして、私が人間たちのほうに手を振ると、それに合わせて勢いよく飛んでいく
ﾋｭﾝﾋｭﾝﾋｭﾝｯ
「ぐあぁっ」
小さな悲鳴がいくつも聞こた
これで、少しは時間が稼げるはず
ｾﾂﾅ「待ってて……っ」
「ﾊｧ…ﾊｧ……」
私は左腕で彼の体を支え、右の手のひらで海水をすくった
そして、すくった海水を傷口にゆっくりとかける……
「うぅっ……」
海水がしみるのか、彼がうめき声をあげる
だけど、撃ちぬかれた彼の傷口は塞がっていった
何で“こうすれば傷が治る”って分かったのか、私にもわからない
次に、彼の顔周辺に丸く水の膜を張った
中に酸素が入っているから、少しなら持つだろう
そして、彼と一緒に海に潜った
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 71人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レナ(プロフ) - はい！ (2015年3月18日 0時) (
レス) id: 4fb655bc62 (このIDを非表示/違反報告)
ロギ(プロフ) - レナさん» ふぁぼ機能があればいいのに…。週末にはまた更新します(b･ω･)b (2015年3月17日 23時) (レス) id: 094c99e7b6 (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - 泣けます (2015年3月17日 23時) (レス) id: 4fb655bc62 (このIDを非表示/違反報告)
ロギ(プロフ) - レナさん» ありがとうございますっ(●´_ _)ﾍﾟｺ そう言ってもらえると、すっごく励みになります!! (2015年3月17日 23時) (レス) id: 094c99e7b6 (このIDを非表示/違反報告)
ロギ(プロフ) - 実さん» おおぉ…!! ありがとうございますっ(*`∀´*) ちゃんと伝わっていて嬉しいデス!! (2015年3月17日 23時) (レス) id: 094c99e7b6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ロギ | 作成日時：2014年9月7日 17時
