２７．過ぎた時間 ページ30
青年に抱えられて、研究所を抜け出した
外に出て気付いたんだけど、今は夜中らしい
森の中を抜けて、海に来た
夜の暗い海
波の音
潮の匂い
全てが懐かしく感じる
青年は、私をそっと海に降ろしてくれた
ｾﾂﾅ「……ありがと」
「どういたしまして」ﾆｺ
私を逃がしても、何も得することはないっていうのに…
どうして私を逃がしてくれたんだろう
「君に……言わなきゃいけない事がある」
急に表情に影を落とす青年
「君があの研究所に捕まって……その……、……８０年近く経ってるんだ」
……今、なんて？
何て言ったの？
ｾﾂﾅ「な…に……？」
「君が捕まって、８０年は経っている」
８０年？
私、そんなにあそこにいたの？
“祖父に、君に返すよう言われたんだ”
研究所で、青年はそう言っていた
“祖父”って言ってた……！
ｾﾂﾅ「じゃ、じゃあ…ジョットは……？みんなは……？」
「ボンゴレファミリーは、つい最近、３代目ボスが決まったらしい」
３…代目……
ジョットは、初代ボスだった
もう、３代目なの？
「初代ボスのジョットという人は、早々に引退して、遠い島国“日本”と言う所に行ったそうだ」
“日本”？
何処かで聞いたことが……あっ！
ｾﾂﾅ「雨月の故郷…」
ジョットは今、日本にいるんだ……！
「でも、さっきも言ったけど、８０年経ってるんだよ？君の知ってる“ジョット”じゃなくなってるかもしれない。まだ、生きているかも分からないし……」
ｾﾂﾅ「ッ！」
死んでるかもしれないってこと……？
そんなの…
ｾﾂﾅ「やだ、やだよぅ……」ﾎﾟﾛｯ
“側にいる”って“迎えに行く”って言ってくれたのに…
“また会える”って“一人じゃない”って言ってくれたのに！！
ｾﾂﾅ「ジョット…Ｇ……、アラウディ、ナックル、ランポウ、雨月……っ」
もう……会えないの？
「なっ泣かないで！まだ死んだと決まったわけじゃないし……ね？」
みんなに ―――――――… 会いたいっ
ﾊﾟｧﾝｯ!
視界に広がる、赤
スローモーションのように飛び散る、赤
そして、ゆっくりと倒れていく ―――――――――… 彼
背後の崖に、銃を持った白衣の人間たちがいた
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 71人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レナ(プロフ) - はい！ (2015年3月18日 0時) (
レス) id: 4fb655bc62 (このIDを非表示/違反報告)
ロギ(プロフ) - レナさん» ふぁぼ機能があればいいのに…。週末にはまた更新します(b･ω･)b (2015年3月17日 23時) (レス) id: 094c99e7b6 (このIDを非表示/違反報告)
レナ(プロフ) - 泣けます (2015年3月17日 23時) (レス) id: 4fb655bc62 (このIDを非表示/違反報告)
ロギ(プロフ) - レナさん» ありがとうございますっ(●´_ _)ﾍﾟｺ そう言ってもらえると、すっごく励みになります!! (2015年3月17日 23時) (レス) id: 094c99e7b6 (このIDを非表示/違反報告)
ロギ(プロフ) - 実さん» おおぉ…!! ありがとうございますっ(*`∀´*) ちゃんと伝わっていて嬉しいデス!! (2015年3月17日 23時) (レス) id: 094c99e7b6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ロギ | 作成日時：2014年9月7日 17時
