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「うそ………」
次から次へと、信じられない事ばかりが起こる。
だって真一郎が、真一郎が。
「A……」
「しん……いちろ」
「ごめんな、待たせて」
頭に置かれていた手が、するっと頬にあてがわれ、指で涙が拭われた。
「……起きるの……遅すぎでしょ…っ！！」
「ごめんな。ずっと聞こえてた。Aの声」
起き上がりたいから手貸してくれ、と言われて、私は真一郎の背中に手を回す。
だって、ずっと寝てたのに。
二年間も。
嘘じゃないよね、そう言うと、嘘じゃねーよって返された。
「いてて……くそ、思い通りに体が動かねえな………」
「しんいちろ」
「泣きやめよ。……エマんとこ、行くぞ」
真一郎の言葉で、あたしは看護師さんを呼んだりなど、かなりドタバタした。
目が覚めたばかりで起き上がるなんて。
そんな体で無茶ですって怒られた。
でも妹が大変なんですって話をしたら、車椅子でならと渋々許可を出してくれた。
ほんとは座るだけでもしんどいはずの真一郎。
出来るだけ負担をかけない様に、それでも急いで、あたしは真一郎の車椅子を押しながら院内を許される速度で走った。
走ってる最中、あたしは簡潔にだけど、今までの事を真一郎に話した。
黒龍の事も、イザナの事も、万次郎の事も。
今まで真一郎が寝てる間に起こった事全部。
「しっかりしろ、マンジロー」
「！」
手術室の前にたどり着くと、まだ手術は終わっていないようで、あたしと真一郎の登場に花垣くんは驚いていた。
手術室の前に置かれた椅子に座り、壁に寄りかかって、正気の感じられない万次郎を、あたしは初めて見た気がする。
そんな万次郎に真一郎は声をかけた。
「…しん…いち、ろ…？」
「兄貴のお前がしっかりしないで、どうすんだ」
「………」
「エマなら絶対大丈夫だ。信じろ、マンジロー」
今まで、失意のどん底にいた。
不安でいっぱいで、不安に押しつぶされそうで。
どうしたらいいか分からなくて。
それでも不思議と、真一郎の言葉を聞いたら大丈夫なんだって。
そう思えて。
「オレらの妹は、そんな弱くねえだろ？」
「……うん」
「事情は全部、Aに聞いた。なあ、お前はどうしたい？マンジロー」
「オレは………」
「うん」
「イザナを、……兄貴をブッ飛ばす！！」
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ピアノ - 完結おめでとうございます！もう、真兄推しの私にとったら泣けて最高のお話でした！これからも頑張ってください！ (2021年10月10日 10時) (
レス) @page49 id: 68f7274f2c (このIDを非表示/違反報告)
ルイにゃ - 完結おめでとうございます とても泣ける話でした (2021年9月29日 18時) (レス) @page49 id: c326ad8a0b (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - 完結おめでとうございます！これまでに無いハッピーエンドです....真一郎くんが起きた時はもう...全私が喜びましたwこの作品に出会えて良かったです^^* (2021年9月29日 3時) (レス) @page49 id: 849fa7e773 (このIDを非表示/違反報告)
ワカメと昆布って似てね？ - 完結、おめでとうございます！原作が辛くて辛くて仕方なかったけど、この作品に出会えて本当よかったです！2人の結婚式とか結婚式のスピーチのお話が見たいです！できればでよろしいので書いてもらえたら嬉しいです！ (2021年9月28日 22時) (レス) @page49 id: 293adefca4 (このIDを非表示/違反報告)
43(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても面白くて、一気に見ちゃいました！幸せそうな夢主ちゃんを見れてよかったです！！ (2021年9月28日 16時) (レス) @page49 id: abf6fd2177 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴんぞろ | 作成日時：2021年9月15日 0時
