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雨が降った。
その日は一日、天気予報は晴れって言ってたのに。
ざあざあと降る雨。
バケツをひっくり返したような土砂降りの雨。
晴れとか嘘じゃん、傘持って来てないし。
朝見た天気予報のキャスターに若干の怒りを覚えながら、あたしはどうしたものかと考えた。
「すげえな、雨」
そう言ってあたしの横に立つ真一郎。
まあ最初から期待はしてないけど、一応聞く。
「ね、真一郎傘持ってる？」
「持ってない」
「だと思った」
聞いたあたしがバカでした。
想定通りの返答にあたしはため息をつく。
この土砂降りの中、帰るのかーとか、もう少し待ったらやむかなとか。
「ほら」
「え」
頭の上からばさりと何かがかけられる。
それは真一郎の学ランだった。
「え、ちょっと」
「走るぞ！」
「はあ！？」
あたしの手を引いて走り出す真一郎。
待ってよと声をかける間も無く、真一郎に引かれてあたしも雨が降る外へ出てしまう。
「雨強っ！」
「こりゃすぐずぶ濡れになるな！」
「待ってればよかったのよ！待ってれば！！なんで飛び出したわけ！？」
「早く帰りてえだろ！？」
「ゆっくりでいいじゃん！！」
走りながら喧嘩をするあたしたち。
真一郎にとっちゃこんなの喧嘩だなんて思ってないんだろうけど。
「あーもう最悪。びしょ濡れ」
「学ラン意味なかったな」
「真一郎タオル貸して」
「おー、ちょっと待ってろ」
真一郎の家について、玄関先でびちょびちょになった学ランを肩にかけ直す。
学ランからも、あたしの制服やら髪の毛からも雨の水が滴り落ちた。
「やべーな、それ」
「はあ？何が」
「えろいわ…」
「………」
何言ってんのこのバカ。
と言う怒りのこもった視線を真一郎に向ける。
「オレの学ラン羽織って、髪の毛もシャツもびしょ濡れで、なんならシャツ透けてブラ丸見えだし」
「っ！？見ないでよ！」
「…黒か…」
言うか！？
フツーそこまで言う！？
あたしはばっと手で胸を隠して、真一郎に背中を向けた。
「バカ！最悪！アホ！！変態！！」
「その格好で言われてもなんとも思わねえよ。むしろ逆効果だし。ほらタオル」
「ほんっとサイテー！信じらんない！！」
「悪かったって。ほら、シャワー浴びてこいよ、オレのシャツ貸してやるから」
「覗いたらマジでシメる………」
「分かってるって！」
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ピアノ - 完結おめでとうございます！もう、真兄推しの私にとったら泣けて最高のお話でした！これからも頑張ってください！ (2021年10月10日 10時) (
レス) @page49 id: 68f7274f2c (このIDを非表示/違反報告)
ルイにゃ - 完結おめでとうございます とても泣ける話でした (2021年9月29日 18時) (レス) @page49 id: c326ad8a0b (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - 完結おめでとうございます！これまでに無いハッピーエンドです....真一郎くんが起きた時はもう...全私が喜びましたwこの作品に出会えて良かったです^^* (2021年9月29日 3時) (レス) @page49 id: 849fa7e773 (このIDを非表示/違反報告)
ワカメと昆布って似てね？ - 完結、おめでとうございます！原作が辛くて辛くて仕方なかったけど、この作品に出会えて本当よかったです！2人の結婚式とか結婚式のスピーチのお話が見たいです！できればでよろしいので書いてもらえたら嬉しいです！ (2021年9月28日 22時) (レス) @page49 id: 293adefca4 (このIDを非表示/違反報告)
43(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても面白くて、一気に見ちゃいました！幸せそうな夢主ちゃんを見れてよかったです！！ (2021年9月28日 16時) (レス) @page49 id: abf6fd2177 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴんぞろ | 作成日時：2021年9月15日 0時
