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「あーーーー!また真兄ぃったらお姉ちゃんの事泣かしてんの!?もーいい加減にしてよ!お姉ちゃん泣かすの!!」


「バッ!泣かしてねえよ!!泣かしてねえよな!?」


「「知らねー」」





来たよー。


と店に入ってきたエマ。


隣にはケン坊と圭介もいた。


そしてあたしが泣いてるのを見て、エマは一目散に真一郎を叱りつけていた。





「やっとお姉ちゃん幸せになれるんだから!泣かしたらウチが許さないからね!?」


「ははっ、形無しだな真一郎くん」


「なあなあ真一郎くん、オレのゴキ見てくれよー」





また真一郎とバカやって、みんなと笑い合える日が来た。


この日が来るって信じてた。


待った時間は長かったけど、待った分だけ、幸福感に溢れてて。





「ねえ、真一郎」


「んあ?」


「あたし今、すっごい幸せ」


「当然だろ?オレもそうだし」





あたしはまた、いつもの定位置に座って、真一郎がバイクを整備する姿を眺めるんだ。


そんでもって、真一郎を訪ねてくる年下のガキ共と、真一郎の話をしたり、からかったり。





「A〜〜〜、お腹すいた」


「言うと思った。どら焼き買ってあるよ」


「やった!」


「みんなも食べよ。おやつにしよ。お茶入れてあげるから」


「「「はーい!」」」


「A、オレコーヒーがいいんだけど」


「どら焼きにコーヒー?お茶の方が合うと思うけど」


「バーカ、Aが入れてくれてた、いつものコーヒーが飲みてえ気分なんだよ」


「何それ」


「あっ!そしたらウチもコーヒーがいい!」


「オレも。Aが入れてくれるコーヒーがいい」





真一郎がそう言うと、エマやイザナ、みんなこぞってコーヒーがいいと言い出した。


あの万次郎もだ。


コーヒーが苦くて飲めないって言ってた万次郎が、コーヒーを飲みたいだなんて。





「ミルクと砂糖たっぷりの、甘いやつちょーだい」


「まったく……注文が多いんだから……。しょうがないな。ちょっと待ってて」





いつぶりだろう。


こんな気持ちでコーヒーを淹れたのは。


ずいぶんと久しぶりな気がする。





「久しぶりに飲んだわ、この味」


「二年ぶりだもんね」


「甘くて美味しい……。ケンチーン、オレこれなら飲める!」


「おー。よかったなーマイキー」


「甘くしないと飲めないってガキかよ」


「そー言うイザナだって砂糖入れてもらってんだろ!?」


「入れてねーし」


「入ってるよ、イザナのにも」


「なっ!」

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ピアノ - 完結おめでとうございます!もう、真兄推しの私にとったら泣けて最高のお話でした!これからも頑張ってください! (2021年10月10日 10時) (レス) @page49 id: 68f7274f2c (このIDを非表示/違反報告)
ルイにゃ - 完結おめでとうございます とても泣ける話でした (2021年9月29日 18時) (レス) @page49 id: c326ad8a0b (このIDを非表示/違反報告)
桜雪(プロフ) - 完結おめでとうございます!これまでに無いハッピーエンドです....真一郎くんが起きた時はもう...全私が喜びましたwこの作品に出会えて良かったです^^* (2021年9月29日 3時) (レス) @page49 id: 849fa7e773 (このIDを非表示/違反報告)
ワカメと昆布って似てね? - 完結、おめでとうございます!原作が辛くて辛くて仕方なかったけど、この作品に出会えて本当よかったです!2人の結婚式とか結婚式のスピーチのお話が見たいです!できればでよろしいので書いてもらえたら嬉しいです! (2021年9月28日 22時) (レス) @page49 id: 293adefca4 (このIDを非表示/違反報告)
43(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても面白くて、一気に見ちゃいました!幸せそうな夢主ちゃんを見れてよかったです!! (2021年9月28日 16時) (レス) @page49 id: abf6fd2177 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴんぞろ | 作成日時:2021年9月15日 0時

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