【東リベ】守るためにつく嘘【場地】 (ページ5)

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「場地と一虎が捕まった」

「え？」

そう教えてくれたのはドラケンだった。

その日はやけに静かで、珍しく圭介が家に来なくて。

いつもなら腹減ったからなんか食わせてくれ！って来るのに。

珍しいな〜って思ってた。

それなのに。

私は何も知らなかった。

「今……なんて言ったの？圭介と一虎が……何？」

「……警察に捕まった。それと………。真一郎くんが死んだ」

ドラケンから告げられた言葉がうまく理解出来なくて、私は何が何だか分からなくて固まった。

圭介と一虎が捕まった？真一郎くんが死んだ？

「何それ………。笑えない。エイプリルフールはとっくに過ぎたでしょ。もう８月だよ」

「嘘じゃねえよ。………一虎が、真一郎くんがやってるバイク屋に忍び込んで、バイク盗もうとして、バレて、殴って殺した。場地も一緒にいた」

「ッ！！！」

バシンッ！と、気づいたら私はドラケンの頬を叩いていた。

ドラケンは何も悪くないのに。

酷い女だよね。

私は本当に何が何だか分からなくて、頭の中がごっちゃごちゃになってて。

「嘘！！圭介と一虎がそんな事するはずない！！真一郎くんが死んだなんて嘘！！なんでそんな酷い嘘つくわけ！？帰って！！帰ってよ！！」

玄関から力づくでドラケンを押し出して、私は勢いよく玄関の扉を閉めた。

今思えば、わざわざ伝えに来てくれたドラケンに対して、私は酷い事をした。

ドラケンだって辛いはずなのに、私だけ傷ついたみたいになって。

けど私はそんな事まで頭が回らなくて、ひたすら玄関で泣きじゃくった。

「ゔうっ、ひっく。ぐすっ、ううっ………」

どれくらい泣き続けたかわかんない。

ピンポーン、とチャイムが鳴った。

私は出る気になれなくて無視した。

するとまたチャイムが鳴った。

「A。いる？オレだけど」

マイキーの声だった。

しんいちろーの話、あれ、ウソだったんだ。ごめん。驚かそうと思って。

そう言いに来てくれたのかと思って、私はよろめきながらも玄関の扉を開けた。

扉を開けたら、ごめん。って申し訳なそうにするマイキーと真一郎くんが居る事を信じて。

けど、そこには私より酷い顔のマイキーがいて、一瞬にして抱いていた希望は消えたんだと悟った。

だって、マイキーの顔見たら、何も言えないよ。