【東リベ】守るためにつく嘘【場地】 (ページ25)

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「なあ場地、いい加減Aにプロポーズしたらどうなんだ？」

「あ？」

千冬とAが共同で経営するペットショップで働くオレ。

務所から出たら、場地とAと千冬がいて、開口一番にオレらの店手伝えって言われた。

ずっと手紙のやり取りをしてて、三人でペットショップを始めた事は聞いてた。

千冬にガミガミ、Aにファイトと笑いながら応援されながら、オレは今、場地と一緒に空いたゲージを掃除している。

そしてふと、場地に話を振った。

「お互いもういい歳だろ？お前ら付き合って長いし」

「プロポーズ、なぁ……。別に考えてなかったわけじゃねえけどよ」

「まさかとは思うけど、今のままがいい〜とか言わないだろうな？」

「ゔっ」

「はあ〜〜〜」

場地の言葉に深いため息を吐く。

ガキの頃から両思いで、オレの入る隙はない。

そんな事は昔から知ってる。

オレはAに惚れてた。

けどAの目には場地しか入ってなくて、それでもオレは、Aの側にいれるならって思ってた。

相手が場地ならって許してた。

「な、なんだよその深いため息はよ！」

「のんびりしてると、いつか盗られるぞ。A」

「………あ゛？」

「お、目が変わった」

「一虎ぁ……。盗られるってどう言う意味だ？」

「そのまんまの意味だよ。最近よく来る客がAに言い寄ってんの、知らねえのか？」

Aが場地以外のやつに盗られるのは気に入らねえ。

中坊の時、オレはあいつの幸せを壊した。

だから今度は壊したくない。

壊した分、今度はオレが守るんだ。

そう誓った。

だから場地、さっさとAにプロポーズして、結婚して、Aを幸せにしてやれ。

「一虎ぁ………カチコミ行くぞ」

「いやいや。それはAの迷惑になるからやめとけって。あと千冬に怒られる」

「千冬ぅ！！」

「はい！何ですか場地さん！！」

あ、ダメだこいつら。

場地はAの事になると周りが見えなくなるし、千冬も場地に言われたら周り見えなくなるし。

まともなやついねえなぁ……。

「ああ、あの人っすね。Aさん全く相手にしてないんで勝ち目ないっすよ。Aさんは場地さん一筋っす！」

「そ、そうか……」

「心配しなくても、Aさんは場地さんしか見てませんて！」