【東リベ】守るためにつく嘘【場地】 (ページ18)

今日:2 hit、昨日:35 hit、合計:131,932 hit

18 ページ18

パトカーのサイレンと救急車のサイレン。

やっと終わったんだと思ったら力が抜けた。

完全には抜けきってないけど。

サイレンの音が聞こえて、散り散りになるメンバー。

「あたし、ここに残る。圭介と一緒に病院行く。みんなは早く逃げて」

私がそう言うと一虎もここに残ると言った。

いいの？と聞くと、うん、と一虎は答えた。

ケジメ、って言ってた。

「マイキー…。許してくれなんて言えねえ。真一郎くんの事も、場地の事も、一生背負って生きてく」

一虎はマイキーの背中に向かって頭を下げて言った。

「Aは……さ」

「？」

「場地の事、今でも好き？」

「当たり前じゃん。ずっと前から好きだよ」

「そっか」

「何でそんな事聞くの？」

「いや？お似合いだな、と思って」

程なくして、警察と救急車がやって来て、一虎は捕まった。

目の前で警察の人に取り押さえられる一虎を見た。

圭介は救急車に乗せられて、私も一緒に乗って病院に向かった。

病院に向かう最中、私はずっと圭介の手を握ってた。

私はここにいるよって。

だから圭介もここにいてって。

手術室に入る圭介を見送って、私は近くの椅子に腰掛け、圭介の特攻服を握り締めた。

ふわりと香る圭介の匂い。

圭介に包まれているような気分になった。

「ぐすっ……ひっく」

死なないよね？

助かるよね？

私を置いて一人で行かないで。

私を一人ぼっちにしないで。

「A……」

「まいき……みんな…」

名前を呼ばれて顔を上げると、そこにはマイキーやドラケン、三ツ谷に千冬くん、タケミっちたちがいた。

「どうしよ………圭介が死んじゃったら……怖い…」

「大丈夫だ。場地は死なねえ。それはAが一番よく知ってるだろ？場地はA置いて一人で行かねえよ」

「ぐすっ、ひぐっ、う、うわああああん！！！」

泣きじゃくる私の背中をさすってくれるマイキー。

マイキーだってしんどいはずのに。

それからどれくらいだろう。

手術室の前で私たちは待った。

何時間もずっと。

何時間経ったのか、ふと顔を上げると手術室のランプが消え、扉が開いた。

「………」

「手術は成功です。なんとか一命は取り留めました」

「「「「ッ！！！」」」」

医者の言葉に私は全身の力が抜けて床にへたり込んだ。

「A」

「よかった………。よかったよぉ〜〜〜！うわああああん！！」