【東リベ】守るためにつく嘘【場地】 (ページ13)

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場所は町外れの廃車場です。

千冬くんが教えてくれた場所に走る。

東卍と芭流覇羅との抗争はもう始まってるはず。

女子が男子の、しかも不良グループの特攻服を着て走る姿なんて珍しいだろう。

道ゆく人が振り返る。

けどそんなの気にしない。

息も切れ切れ、私はただひたすら前だけを見て走った。

抗争を止めるなんてそんな無茶な事、私には出来ないかもしれない。

けど止めたい。

もう一度、面と向かって好きだって言ってやる。

そんでもって、好きだって言わせてみせる。

「圭介っ！！」

廃車場に着いた頃には、そこらじゅうに倒れてる人がたくさん居た。

東卍の黒い特攻服に、芭流覇羅の白いパーカー。

黒と白が入り乱れる状況。

私は必死に圭介の姿を探した。

ぽつんと立つ私には誰も目もくれない。

ハァハァと荒い息をしながら、私はきょろきょろと辺りを見渡した。

ふと、積み重なった廃車の山の一つに目をやった時だった。

圭介の後ろから、ナイフを持った一虎が近寄って行ったのが見えたのは。

「圭介！！！！」

人をかき分けて走った。

途中、足がもつれて転びそうになったけど、それでも頑張って走った。

「っ！A！？」

「三ツ谷！」

「お前…どうしてここにっ！？」

「圭介が！今！！」

「場地が…何だって…？っと！」

人をかき分けて走る中、ぱっと開けた場所に出ると、芭流覇羅のメンバーにグーパンチをかましていた三ツ谷と鉢合わせた。

会うのは二年ぶりだったけど、全然変わってなかった。

「お前……その特攻服…」

敵を殴って、私の姿を見て驚く三ツ谷。

近くにはドラケンの姿も見えた。

みんな変わってない。

「つか危ねーだろ！巻き込まれてえのか！？こんな所に来て！！」

「今はそんな事どうでもいいの！」

「どうでもいいっておま……オラァッ！」

「三ツ谷！！あそこ！行きたい！」

そう言って私が指さしたのは圭介がいる場所だった。

「あそこって……場地のとこか。クソッ、数が多いんだよちくしょう！」

「三ツ谷！！」

「あーっ！わかったよ！！おれの後ろにいろ！じゃねえと守ってやれねえ！」

「舐めないでよ、あたしだってやるときゃやるんだから！！」

「へぇ…そーか、よっ！！」