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episode19 ページ19

山田:うわ。どしたのその傷



大学3年も終わるを迎える頃
いよいよ就職活動に取り組まなければならない

成人式から約1年経ち、俺は21になった
塾講師のアルバイトもこれから徐々にシフトを減らしていく時期。
サラリーマン1年目の山田を仕事終わりに呼び出して変わらず飲んでいる


山田:なるほど。メンヘラ彼女に噛まれたんだ


成人式の日のことは誰にも言っていない
元カノを探していたなど言えるはずもない

だけど付き合っている彼女とは鋭いものだ
成人式が終わり、戻ってきた俺の様子に違和感を感じていたそう

それでも偽るように彼女の前では何ともない変わりない姿でいた






“これ亮君の元カノなんでしょ?”


だけどついこの間。
食事中に見せられた彼女のスマホの画面には俺も知らない彼女のSNSが表示されていた
目を見開いて固まる俺の反応に顔を歪める彼女。



“この人と成人式で何かあったの?”



会ってない。風邪でいなかった。


そう伝えると

どうしてそんなこと知ってるの

もう別れたのにどうして元カノが気になるの



癇癪を起こしたみたいに怒る彼女が発した言葉に初めて怒りを示した



山田:なんて言ったか当てようか

『…』

山田:こんな女のどこがいいの?



彼女の口調を真似る山田は悪そうにそう言った
当たっているのだから笑えない



“こんな地味で、可愛くない子、何で亮君と付き合えたの”


泣きじゃくる彼女の機嫌を取らず
俺は止めをさすように彼女に言ってしまった



『言っていいことと悪いことがあるだろ。』



多分
彼女にとってはそれすら気に入らなかったのだと思う

いつもみたいに機嫌を損ねたら宥めてくれると思っていたのか

自分ではなく元カノの味方をした俺に
普段怒ることなどない俺が怒りを示したのが自分ではなく


Aであることに。



山田:それで怒ってキスされて噛まれた?メンヘラすぎるでしょ





怒った彼女は俺を床に押し倒して覆いかぶさるように馬乗りになった
俺の上で泣きじゃくって顔にはぼとぼと涙が落ちてくる

正直それ以上は彼女を責めることなどできない

泣いている彼女にしてあげることは何もない
彼女が彼氏彼女の関係を続けたいのならば続ける
別れたいなら別れる

それぐらいのことしか俺にはできない


山田:罪だねえ…で?別れたの?
『別れないって。』



山田:お前本当最悪だけど素直でいいと思うよ。俺は好きかなー


本当に最悪だと思う。
元カノのこと、まだ好きなんて。

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設定タグ:吉沢亮 , 横浜流星 , 俳優   
作品ジャンル:恋愛
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キャラメル味(プロフ) - この作品を待っていました!楽しみです!作者さんのペースで更新頑張ってください! (2021年2月2日 20時) (レス) id: e1584a2181 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:君との時間。 | 作成日時:2021年1月31日 11時

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