episode18 ページ18
"あれ、Aと吉沢君じゃない?"
メインの花火大会の日ともあり、地元の人間だけでなくお盆で帰省した人もいて大混雑
座って見れなかった人たちは立ちながらでも眺めのいい場所から花火を眺める
浴衣のカップルなんて数え切れないほどいる中で
私と一緒に選んだ浴衣を着ていたAを見つけた
吉沢君とAが並んでるところ初めて見たかも
高校生の頃といえば大半が同じ学校で付き合うが、あの二人は特殊だったと思う
同じ学校で付き合っているが校内で二人で会って話すことはあまりなくて
こうやって外で会っているのも不思議に見える
付き合っていることなんて周りは皆知っているのに。
遠くから見ても二人は会話を交わす様子もなく
花火が始まるのを今かと待っているような雰囲気
本当に付き合ってんのかね、あれ
そんな風に二人を眺めていると一発目の花火が打ち上がった
花火が弾ける爆音と共に夜空に花が咲くと、大きな歓声が上がり大盛り上がり
最初の方は私も友達とはしゃいで見ていたが
ふと目に入ったあの光景は今でも覚えてる
スマホで花火を撮影しているAと
花火に目もくれず、
Aの方をじっと見ている吉沢君
吉沢君はもしかしたらAに合わせて付き合っていただけなのかもしれない
二人を見ていてそんなことを思うことがなかったと言えば嘘だ
だけどあの日見た光景を思い出す度
二人の間にはそれほど温度差がなかったんじゃないかって
そう思っていたのに。
A:Aなら良い人いるって!
気休め程度にしか言えなかったが
その後、Aに彼氏ができる様子はなかった
てっきり高校生でこの二人は終わったものだと思っていた
"でもあの様子だと吉沢君、Aのこと未だに好きなんじゃない?"
話は戻り女子会だ。
高校の頃のAは高校生活の半分は吉沢君のことが好きだったから、未だにAが吉沢君のことを好きなことはおかしいことはない
"でもAには悪いけど吉沢君ってなかなかAに酷いことしてなかった?ほら、冬の駅で1時間待たせたり…"
"あーもしかして別れた後から好きになったとか?"
A:それかさ…
最初から、二人ともちゃんと両思いだったんだよ
多分、本人たちも気付いてないけど
ちゃんと気持ちは相手にあったんだ
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キャラメル味(プロフ) - この作品を待っていました!楽しみです!作者さんのペースで更新頑張ってください! (2021年2月2日 20時) (レス) id: e1584a2181 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:君との時間。 | 作成日時:2021年1月31日 11時