モトカノ依存症【吉沢亮】 (ページ17)

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episode17 ページ17

〝でも残念だねー。A”
〝あんだけ成人式張り切ってたのにねー”

『ねえ』

着物姿で立ち話をする女子たちに何となく見覚えはあった
その中に同じ中学の知り合いもいた
俺が声をかけると一斉にこちらを振り向き同じ顔をしていた

何でお前が私たちに話しかけた？と言わんばかりの顔で。

『…あの、Aって見かけた？』

驚きの表情を変えず互いに目を合わせ合い、質問に答える様子はない
…だろうなとは思ったけど。
友人を振った男だというレッテルを貼られているのが何となく伝わる

〝風邪で欠席。”

沈黙を破るようにそう発したのは同じ中学の女子だった

〝Aになんか用あるなら聞くけど。”
『用って程でもないけど…』
〝今更何の用。”

一刀両断。
その言葉そのままに俺に刺さった

彼女がどんな風に話したのかは知らないが良いようには思っていない様子で
そりゃそうか…

『…このことAには言わないでもらえる？』

・

〝って、言われたけどさー”
〝吉沢君の方からAのこと振ったんじゃなかった？”

こんにちは、皆さん。Aの友人で同じクラスだった背の高い女です。以下A子と言います

Ａ:でもさっきの様子じゃ何かAから聞いた話と違うよね

同窓会終わりの2次会。高校の仲良かった女子だけで集まって飲むも、Aは風邪で欠席。
正直私たちはAが成人式で吉沢君に再会することをちょっぴり期待していたが。
ここで当事者のAに代わって友人Ａの私が当時のAの話をしましょうか

Ａ:え？別れた？

「うん。」

後は卒業式だけを控えた自宅学習の期間。
二人でカフェに行った時にAから別れたと唐突に告げられた言葉

なんというか、別れた事実より別れたにも関わらず平然としている友人に驚いた

「別れようって言われたから、分かったって。」

薄々温度差があることは感じていたが、まさかそんなあっさり別れるとは思わなかった
Aは好き！大好き！と口には出さないが吉沢君のこと好きでいたが
吉沢君はどう思ってるのか正直分からないところがあった

…いや。
花火大会の時に二人を見かけたことがある。

うちの地元では大規模な名物の花火大会がお盆に開かれる
3日間開催されるうち、私とAは一日目一緒に回り。二日目にAは吉沢君と回るそう。

その二日目に二人が花火を見ている姿を見かけた