満員電車 ページ9
ガタンゴトン揺られる電車内で私は今、心臓がバクバク言い過ぎて大変なことになっています。
先ほどの道端で突然のキス事件の後も爆豪くんはいたって普通に動揺する私の手をつかんでさくさくと歩きだしてそのまま駅に向かっていった。
ホームに到着した電車に乗り込むといつもよりもぎゅうぎゅう詰めで心が折れそうになる。これだから通勤通学ラッシュは嫌いだ。爆豪くんも好きではないらしくいつも早めに出ていたからこんなに混んでいる電車に乗るのもなかなかない。
「っぜぇな…こっちこい」
不意に腕を引かれて驚くといつもよりも眉間のシワが五割増しの爆豪くんが見えた。
「えっ、ちょっ…爆豪くんあの、近っ…」
「黙ってろ」
ぼふりと胸の中に納められて隅の方に寄る。さすがヒーロー科期待の一年生は満員電車でもビクともしない
香水なんてつけてないだろうに胸のなかいっぱいに爆豪くんの匂いが広がってなんだかすごくいけないことをしている気分だ。私は決して痴女ではない。
「お前ほんと潰されそうだな」
「そんなこと、ないよ。いつも平気だもん」
「はっ、どーだか」
心底信用していない様子の爆豪くんにため息をつきつつ抱き締められたままだと話しづらいし、とりあえず静かに電車に揺られることにする。
「…っ、ひゃん！」
「あ"？悪ぃ、つい…」
なぜか耳を捕まれた。解せない、解せないです爆豪くん。いや、気持ちはわかりますけど…小さい頃からよく握られる耳は私の急所だ。よくアニメとかでウサギの耳を持つ描写があるけれどあれはやめていただきたい。獲物として捕まえたウサギに対する持ち方だ。あれは痛い。
「本当にこれついてんだよな」
「つ、ついてるついてる…ついてるし人間の耳よりよく聞こえるし感覚も敏感なので耳元で囁くのは止めて欲しいなぁなんて」
言ったのが間違いだった。それからずっと耳を触られたり囁かれたりで雄英の駅につく頃には私は一日を終えたかのような疲労感でいっぱいだった
「爆豪くん…ひどい…」
「お前が可愛いのが悪ぃ」
ほら、こんな風に急にデレてくるところずるい。まぁ、私が彼に敵うことなんて一生ないのだろうけれど
教室の前でお別れして自分の席についてほうっと息をつく。爆豪くんのことは好きだけれどだからこそ心臓に悪いことの連続で緊張してしまう。彼はそんなことないんだろうなぁ…彼から告白された身のはずなのにいつの間にか逆転している気がする。悔しいけれど勝てそうにない。
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ぴぬこ(プロフ) - 花帆さん» 初めまして、コメントありがとうございます！お返事遅くなってしまい申し訳ありません…優しいかっちゃんが好きすぎて作ってしまいました(笑)コメント頂けて嬉しいです(^-^)また遊びに来てくださいませ♪ (2018年1月14日 21時) (
レス) id: cd5f3e3a51 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 初めまして、うさぎの夢主さん可愛いし、何だかんだで優しいかっちゃんにトキメキます(*´艸｀*)面白いです♪続きも楽しみにしております！ (2017年12月30日 3時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
ぴぬこ(プロフ) - キルアさん» こんばんは、初めまして。コメントありがとうございます！こんなかっちゃんくれー！と思いながら書いていたのでそう言って頂けると嬉しいです(^^)亀更新ですががんばりますっ！ (2017年11月27日 19時) (レス) id: cd5f3e3a51 (このIDを非表示/違反報告)
キルア - 夢主ちゃんと、かっちゃんの日常が可愛くて読んでいてほっこりします！更新楽しみにしてます！ (2017年11月26日 0時) (レス) id: e4b26041ab (このIDを非表示/違反報告)
ぴぬこ(プロフ) - かたつむりんさん» こんばんは、コメントありがとうございました。チェックを外し忘れておりましたので外させていただきました。教えて頂きありがとうございました。 (2017年10月13日 23時) (レス) id: cd5f3e3a51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふわ | 作成日時：2017年9月7日 22時
