音柱は継子依存症

師範、優しいですね…。 ページ41

『師範ーーー！！

まだまだ余裕なので

あと100周くらいしちゃっていいですかー？？』


宇「…なっ！

本気かお前！！？


軽く700周はしてんだぞ！！」

『それじゃあ行ってきま〜す！！』




今日は稽古の日で、

師範に屋敷周り200周を

命じられた。



しかし200周走っても

物足りなくて

追加で走っています。








宇(アイツ、今何匹の鬼

倒してんだっけ…？



そろそろ50匹達成じゃね？




さっさと柱にならねーかな)









追加した100周を

走り終える。


うーん。


まだイケる…。




『しはーん？？


まだイケるんで、

あと………






わあっっっ！！！』


体が宙に浮いた。



宇「もうダーメ」

『えー』


師範が私を小脇に抱えて

屋敷に戻ろうとする。


師範の気配が

全く無かった…。






宇「…ん？？？




まさかお前、

……全集中・常中やってる？」

『ええ！

今日はずっとです！！』

宇「ド派手だな、お前……」









屋敷の中に入り、

師範に縁側で待ってろと

言われた。



宇「ほらよ、これ食え」


台所から戻って来た

師範が差し出したのは、




なんと！！








『か、かか、かすてらーーーーー！！！♡』


宇「毎度鍛錬ご苦労さんっ。

ド派手なご褒美だよ」

『きゃっっ！！

ありがとうございます！』




カステラは高級だから

滅多に食べられない。


私は本当に師範の

継子で良かったと思う。


師範が本当に私を

好いてくれてるなら、

どれほど幸せか。






宇「…どうした？

腹痛いか？？」


『あぁ！！

いいえ！！！


いただきます！』




顔が赤くなるのが分かる。

この想いは悟られないようにしなきゃ！！





カステラを一切れ、

口に運ぼうとして、

思った。




『師範は……？

カステラ食べないんですか？』

宇「お前の分しか買ってねーよ？」



それはとっても

申し訳ない……。




『師範も食べてくださいよ！

半分こです！！』


宇「…………。




お前が食わせてくれよ、な？？」



師範が自らの口を

トントンと指さす。


口に入れろ、ということだろう。



いやしかし、

そんな恥ずかしいこと……！！



宇「なに、食わせてくれるんだろ？？


待ってるんだけど？」




めっちゃ煽ってくるじゃん……。


A！

羞恥心を捨てるのよ！



カステラを一口分切り取り、

師範の口の中に運んだ。



宇「うっま」



幸せそうな横顔が

美しい師範でした。

胡蝶、それまじか！！→←師範、風邪ですね。

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