音柱は継子依存症

継子、帰って来い。 ページ27

Aが家を出て

5日目だ。


Aの部屋からは

いつのまにか

日輪刀も隊服も消えていた。



アイツの鎹鴉が持っていったのだろう。









俺は、自分でも

派手に驚くほど

Aに惚れていると実感した。


いや、この感情を

惚れているの一言で

済ませてもいいのか…。



嫁3人も平等に愛してきた。

大事にしてきた。


ただ、初めてなんだ。









A。


お前が庭で

怪我をした小鳥を見つけた時。

お前は優しい手つきで小鳥を

手当したな。


小鳥の痛みが少しでも和らぐよう、

歌を歌っていた。




俺には、

あの時のお前が

ド派手に光り輝いているように見えた。






今でも忘れず、

今でも続く、


この胸の痛みと熱さ。









お前が消えてからは

痛みが強くなるばかりだ。





言い過ぎた、と

分かっている。


依存しすぎているのも、

分かっている。






宇「ほんっと、地味だよなぁ……」





死ぬのは、怖くない。

Aを守るために

死ねるならなおさらだ。



アイツを失うこと、

アイツが誰か他の男のものになること、

これが怖い。









………なぁA。





どこにいる？







雛鶴も、まきをも、須磨も、

みんな心配している。









いつも、

過保護になっちまうだけで、


言いたくて仕方ねぇんだ。





ド派手に、「愛してる」って。









今日も、

夜の任務まで

Aを探す。



煉獄の家にはいなかった。


胡蝶のとこにもいなかった。


不死川のとこにも言ったが、

「来ていない」の一点張り。






もしものことが無いように祈る。









玄関にまきをがいた。




宇「行ってくるわ」

ま「天元様……」




まきをが俺の顔を見て

不安気な表情をした。




宇「地味な顔すんじゃねえ。



……安心しろ。


ぜってー連れて帰るからな」







屋敷を後にする。



街にでも、行ってみるか。









ま「天元様、そんな地味な顔、

初めてですよ…」

師範、…。→←不死川様、匿え。

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