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「 あいつどこ行ったんだ？」
「 いないな 」
「 ⋯⋯見つけた 」
「 どこだ？」
「あそこ」と宿舎の前を指さすミカサ。Aの前には小柄な、⋯あれは男か⋯⋯？
『 嫌だ、やめない。絶対やだから 』
「 おい 」
どうやら何か言い争ってるようで、みんな息を潜めてどうにか会話を聞こうと耳を立てる。
それにしてもあの後ろ姿、見たことある気がするんだよな。
『 私が決めたことなの。リヴァイに口出しされたくない 』
⋯⋯⋯⋯は？
「 てめぇ、調査兵団がどんだけ危険な兵団か分かってねぇだろ 」
『 わかってるよ。それも踏まえた上で入団するって決めた 』
「 そこまでして入りたい理由はなんだ 」
ちょっと待て。今、あいつ "リヴァイ" って言ったか？
アルミンたちと目を合わせる。みんな聞き逃せなかったみたいだ。
リヴァイって、俺が知ってる範囲だとあの "リヴァイ" になるんだが。そんなわけ、⋯⋯ないよな。
『 リヴァイがいるから 』
「 あ？」
⋯⋯いや、間違いなくあれはリヴァイ兵士長だ。
噂にしか聞いてないが、小柄な体型で、黒い髪、つり上がった目。特徴に当てはまりすぎてる。
でもなんで、Aがリヴァイ兵士長と⋯？
「 そんな薄い理由で生き残れると思ってんのか？」
『 思ってる 』
「 ⋯⋯相変わらずの頑固っぷりもいい加減治したらどうなんだ 」
『 頑固に行かないとリヴァイは認めてくれないでしょ 』
ため息を吐いたリヴァイ兵士長と思われる人は、そっとAの頭に手を乗っけた。
「 入団する前に、怖くなってちびらねぇといいな？」
『 しないよ！そんなこと！』
「 どうだか 」
そのまんまその人は俺らとは反対の方向に歩いていってしまった。
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作者名：ぴの
| 作成日時：2023年11月12日 20時
