◇ 4 ページ5
.
「 つまり僕が言いたかったことは、君たちは彼らとは違うだろってことなんだけど 」
「 ん？」
「 彼ら？」
エレンを探していたら、1つの部屋からエレンたちと、あと⋯ベルトルトとライナーの声が聞こえてきて。
話が終わるまで待とうと、扉の横によりかかった。
しばらくして、エレンたちがベッドから降りてきた。
「 あれ、A。何してんだこんなとこで 」
『 エレンの立体機動を見ようかとおもって 』
「 教えてくれんのか！？」
『 ⋯先に言っとくけど、説明は上手くないよ 』
そんな私の忠告も聞いてないのか「おまえって良い奴なんだな！」と満面の笑みで言いながら歩き出すエレン。
アルミンとふたりで目を合わせて、ため息をついた。
『 とりあえず、ぶら下がってみて 』
「 おう 」
ワイヤーが上につり上がっていく。エレンの足が地面から離れた瞬間、体が前へと倒れる。
頭をまた打ってしまわないようにエレンの体を支えて起こす。
『 ⋯⋯ 』
「 ⋯そんな呆れたような目でみるなよ。自分でもわかってるから 」
『 んー、どうやって教えればいいんだろう 』
⋯⋯あの人は、私になんて言って教えてくれたんだっけ。
「 変に力入れてるから前に倒れちまうんだよ 」
『 怖いんだもん 』
「 じゃあ俺の手でも掴め。そしたら怖くねぇだろ 」
懐かしい記憶が蘇ってきて、自然と自分の頬が緩むのが分かった。私も最初の頃はエレンみたいに失敗ばっかだったんだよなぁ。
『 じゃあ、アルミンの手を掴みながらやってみよ 』
「 掴みながらか？わかった 」
補助ありだとしても1回ぶら下がれることが出来れば、少しは自信がついて恐怖心もなくなると思うから。
「 ⋯⋯こ、こうか！？」
『 できた！』
「 すごいよエレン！」
「 ⋯なんとなく感覚が掴めた気がするぞ 」
「 その調子でやっていこう！」
感覚は掴めたと言ってもすぐに実践できるわけもなく、調子乗って補助無しでやったエレンは地面に頭をぶつけていたけど。
あの教え方が今役に立つとは思わなかったな。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 388人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぴの
| 作成日時：2023年11月12日 20時
