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───カン、カン、カン、と住民の避難と門の施錠が完了し、撤退を要求する鐘が鳴った。
「 ガスを補給しろ！壁を登るぞ！」
「 前衛の撤退を支援してきます！！」
「 な⋯！？おい⋯ミカサ！！」
エレンがいる前衛へと向かうミカサ。他のみんながどうなってるか気になって、私もミカサについて行った。
『 アニ！』
「 ⋯A 」
『 どうして鐘が鳴ったのに、壁を登ろうとしてないの？』
おかしい。一時撤退の鐘が鳴ったのに、ここにいるみんな家の屋根に何かを諦めたような顔で座っている。
アニによると補給部隊が戦意喪失し、本部に立てこもったままでみんな補給ができないという。だから壁の上に登りたくてもガス切れのせいで登れない。
『 はっ⋯なにそれ、』
補給任務を放棄して、本部に立てこもるって⋯⋯それじゃあ残された訓練兵の命はどうなっちゃうの？
『 ⋯あ、アルミン。何かいい案⋯、⋯⋯アルミン？』
俯いて座っているアルミンに声を掛けようと顔を覗いたが、アルミンの顔が絶望の色に染まっていて。
「 アルミン、エレンはどこ？」
「 ⋯⋯っ、」
ミカサがそう聞いた瞬間、アルミンがバッと顔を上げて涙でぐちゃぐちゃな顔を見せた。
とてつもなく、嫌な予感がした。
「 僕たち⋯訓練兵⋯⋯34班─── 」
トーマス、ナック、ミリウス、ミーナ、⋯⋯そしてエレン、とアルミンの口から発せられていく聞き馴染みのある名前たち。
「 以上5名は自分の使命を全うし⋯壮絶な戦死を遂げました⋯ 」
その一言が、どれほど残酷で信じたくない事実か。
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作者名：ぴの
| 作成日時：2023年11月12日 20時
