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私もミカサの隣に降り立ったが、目の前の光景に目を開いた。
「 ⋯⋯は⋯？何を⋯しているの？」
ミカサがそう呟いた。
私たちが目にした光景は、住民の避難よりも先に荷台を運ばせようとしているものだった。
「 今、仲間が死んでいる⋯住民の避難が完了しないから⋯巨人と戦って死んでいる⋯ 」
「 それは当然だ！住民の命や財産を守るために心臓を捧げるのが、お前らの務めだろうが！！」
まるで死ぬのは当たり前とでも言う男にふつふつと怒りが込み上げてきて、思わず拳を握りしめた。
『 それを邪魔してるのが自分たちとは気づいてないみたいね 』
「 な、なんだ貴様は！？」
『 アンタたちがこんなことしないで住民を先に避難させていれば、もっと救われる命があるというのに 』
こんな状況でも自分たちが1番優先で、自分の命が助かればいいと思ってる。たとえそのせいで他の人の命が奪われていったとしても。
「 人が人のために死ぬのが当然だと思ってるのなら⋯きっと理解してもらえるだろう 」
ミカサが光の無い目で男に近づく。
「 時に⋯一人の尊い命が、多くの命を救うことがあることも 」
「 っやってみろ！！俺はこの街のボスだぞ！？下っ端の進退なんざ⋯冗談で決めるぞ！？」
「 死体がどうやって喋るの？」
今にも殺りそうな雰囲気を醸し出すミカサ。
それに怖気づいたのか、商会の男は荷台を引くよう指示を出した。
穴への通り道ができて、溜まっていた住民たちが次々と避難していった。
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作者名：ぴの
| 作成日時：2023年11月12日 20時
