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「 いやあああ⋯！」
嫌でも耳に入ってくる人の悲鳴。それが聞こえるたびに眉間に力がこもる。
「 A訓練兵！その巨人を頼む 」
『 了解 』
ザシュ、とうなじを斬る音と巨人の返り血が飛んでくる。自分の髪が赤に染まるのがわかった。
巨人には知性がない。人間以外の生き物には興味を示さず、人を食うことだけが行動の原理。腕や頭を斬っても数分で再生し、うなじの肉を斬りとるしか殺す方法がない。
つくづく謎な生態だと思う。それは私たちが見つけてないだけ。
「 A。⋯髪の毛が 」
『 返り血で汚れちゃっただけだよ。白いから目立つよね 』
「 ⋯うん 」
私の髪は珍しい白色だから、血が付いた時に赤が目立ちやすくなってしまう。でもすぐに血は蒸発するから、一時的に赤くなるだけなんだけど。
『 それにしても、避難はまだ終わらないの 』
「 わからない。けどあまりにも遅い 」
そのとき、1体の巨人が私たちの横を通り過ぎて壁の方へと走っていく。
「 クソ！はやすぎて追いつけねぇ！」
「 なぜ俺たちを無視して住民の所に行くんだ！！」
先輩たちが一目散に巨人を追いかけるけど、全く追いつく気配なし。
あと少しで住民に襲いかかってしまう距離まで巨人が近づいた時、瞬きする間にミカサが巨人のうなじを斬った。
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作者名：ぴの
| 作成日時：2023年11月12日 20時
