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「 Aー⋯どうしましょう、巨人と戦うなんて⋯⋯ 」
『 よりによって調査兵団が不在の時とはね⋯ 』
青ざめた顔で床に手をつくサシャ。ほかの訓練兵もみんな恐怖と絶望が入り交じったような表情をしている。
訓練兵を3年間やっていたけど、うなじの削ぎ方、立体機動装置の使い方は勉強しても、実際の巨人と戦ったことはないに等しかった。
だからいくら成績が上位の人でも巨人を目の前にして訓練通りに動けるとは限らない。
「 ミカサ訓練兵！！A訓練兵！！」
そのとき、駐屯兵団の人が私とミカサを呼んだ。
「 おまえら2人は特別に後衛部隊だ。着いてこい 」
『 なっ⋯⋯ 』
「 ⋯⋯！」
首席のミカサが呼ばれるのは納得いくが、なぜ2位の私まで必要になるのかわからなかった。
ミカサが「自分の腕では足でまといになる」と意志を示すも、もちろんこの状況下でそれが通用するわけがなかった。
『 ミカサ 』
「 ⋯エレンが心配。もし、死んでしまったら⋯⋯ 」
普段冷静なミカサが取り乱すのはいつだってエレンのこと。大切な人と離れる不安が分かるからこそ、そんなミカサを見て胸が苦しくなった。
「 A⋯私はどうしたら、」
『 落ち着いて。さっさと目の前の巨人片付けて、エレンのところに行こう 』
「 ⋯⋯っ、うん 」
"エレンならきっと死なないよ" っていう言葉をかけられたなかったのは、絶対に死なない保証ができないからだった。
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作者名：ぴの
| 作成日時：2023年11月12日 20時
