ep17 ページ17
『ちょっとお手洗い行ってくるね。』
トイレから出ると壁に寄りかかってこっちを見てる渡辺さんがいた。
『お…お疲れさまです。』
そう言って通り過ぎようとすると
渡「お前飲み過ぎ。この前のこともう忘れたのか?」
『久しぶりで楽しくて、気づいたらたくさん飲んでしまってました…でもこの前みたいに酔い潰れてないので大丈夫です!』
渡「もう帰るんだろ?一緒に帰るぞ。」
『いやいや!何で一緒に帰るんですか!?杉本さん送って行かないと!』
渡辺さんどうしたんだろう?普通彼女送って帰るでしょ!
阿「渡辺さんお疲れさまです。Aは俺が送って帰るので大丈夫ですよ。失礼します。」
渡辺さんは少し驚いたような傷ついたような顔をして私を見ていた。
私は何も言えず阿部くんに腕を引っ張られて店の外に出る。
阿「ちょっと酔い覚ましたいから歩いて帰ろっか。」
『うん。』
阿「Aはさ、好きな人とかいないの?」
『え?いないよ〜。』
阿「…渡辺さんは?」
『渡辺さん!?だって彼女いるんだよ?それに私のことは指導係だから面倒見てくれるだけだから。』
自分で言っておきながらなんか悲しくなる。
阿「俺さ…Aのこと好きになった。」
『えっ!?』
阿部くんが…私のことを?
全然気づかなかった。
阿「今日言うつもりなかったんだけどさ…俺のこと男として意識してほしいから。」
『えっと…私、』
阿「返事はまだいいから。」
自分の部屋に帰り改めて考える。
阿部くんか…優しいし仕事もできて悪いところなんてみつからないくらい素敵な人だと思う。
でも…阿部くんのことを考えているのに、なぜか同時に渡辺さんの顔が頭に浮かぶ。
イケメンだけど怖くて無愛想で…でもたまに優しくて…
私なんで渡辺さんのこと考えてるんだろう。
すると携帯にメッセージが入った。
渡 “ちゃんと家帰れたか?”
このタイミングでズルすぎる。
自分の気持ちに気づいてしまいそうで胸がキューッとなった。
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ぴのこ(プロフ) - nagatakumikoさん» 読んでいただいてありがとうございました^ ^⭐︎ (2022年12月6日 21時) (レス) id: 435ab36c5c (このIDを非表示/違反報告)
nagatakumiko(プロフ) - 素敵な作品読みました。最後まで感動的でした。 (2022年12月6日 20時) (レス) @page49 id: cc4ab27b52 (このIDを非表示/違反報告)
ぴのこ(プロフ) - るなさん» コメントありがとうございます^ ^完結まであと少し…ハッピーエンドを見届けてください⭐︎ (2022年12月2日 22時) (レス) id: 435ab36c5c (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - お話面白いです!続きが気になります、どうか早い段階で幸せがもどりますように (2022年12月2日 21時) (レス) @page40 id: c691eeba4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴのこ | 作成日時:2022年11月22日 22時