第68話 ページ25
＿＿＿＿
｢Aさん！！それに、三ツ谷くんも……！！｣
｢……隆くんごめん、やっぱりちょっと無理しちゃった｣
｢ワガママ聞いた時から察してはいた。｣
ため息を吐く隆くん。
万次郎くんの方を見れば、信じられないとでも言うように唖然としていた。
しょうがない、代わりに私が言おうじゃないか。
……自分が言ってみたかっただけですが。
｢皆聞いて！！救急車は来る時に呼んだ！！
鶴蝶くんも、イザナくんも撃たれてない！！
重傷の人だけ残って、他の人はこの場から離れろ！！｣
その瞬間、バイクの音が聞こえる。
｢稀咲ィィ！！！
ゲーット！！｣
｢……半間くん！！｣
いや、そっちはタケミっちが追ってくれる。
今は、
｢万次郎くん｣
君に触れたくて仕方がない。
息が止まるほど、キツく抱きしめられる。
自分の半身でしか君を感じられないのが少し寂しかった。
｢……Aは意地悪だよな
オレを自分のモンにしたくせに居なくなろうとしてさ｣
｢万次郎くん、私の物になってくれたの？｣
｢うん。とっくのとうにオマエしか見えてねぇよ。｣
ただ、目の前の貴方が愛おしくて堪らなかった。
｢……万次郎くん、ヒナちゃん連れて武道くんのこと追っかけて？｣
｢オマエはいつも、なんでも知ってるみたいな言い方するよな。
……勿論、Aのオーセのままに。｣
｢ふふ、ありがとう。｣
さて、と
｢……こっち来て、
真一郎くん｣
｢しん、いちろう……？｣
これでもかというくらい目を見開いたイザナくんの元に来たのは、他でもない真一郎くん。
彼を説得するには、真一郎くんしかいないと思った。
｢……ゴメンな、イザナ｣
｢どうして、なんで、来たんだよ
オマエは……オレの兄貴じゃねぇだろ……？｣
｢あの日、オマエが黒龍を継ぐって言ってくれた日、
マンジローにも継がせるつもりだって言った。あれはオマエらどっちもオレの弟だって言いたかったんだ。｣
｢……オレは、オレだけが真一郎の弟じゃなきゃ気が済まない
だって、真一郎はオレにとっての唯一だったから｣
｢違ぇよ、イザナ
お前には万次郎も、エマも、オマエの仲間も居るだろ。
人はいっぱいの人を想って、いっぱいの人に想われてる。そうやって出来てんだよ。｣
イザナくんは、泣いていた。
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ちちんぷいぷい(プロフ) - だいすきです (2023年2月7日 16時) (
レス) @page30 id: 54d9d9d1c8 (このIDを非表示/違反報告)
楓 - とても素敵な作品でした！すごく感動しました。とても読みやすかったです (2022年1月17日 20時) (レス) @page30 id: 67c6d12317 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - ぴのさん» ありがとうございます！！そっちでもお話し出来ると嬉しいですっ！！ (2021年12月21日 20時) (レス) id: bf73164f8f (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - 凛さん» もちろんです！！今から読まさせてもらいますー！！^^ (2021年12月20日 22時) (レス) id: 49dec086fe (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - 楓さん» 嬉しいお言葉です…！！ご愛読ありがとうございました！！ (2021年12月20日 22時) (レス) id: 49dec086fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴの | 作成日時：2021年12月12日 0時
