晦冥の瞳の少年、少女を語る ページ11
＿＿＿＿
｢万次郎くん、なにかありました？｣
そう言うAに思わずドキッとする。
いつだってそうだった。ここ半年は特に。
Aはオレのこと、いや、皆のことをなんでも分かってくれる。
｢……あーあ、Aに隠し事はできねぇな｣
夢を見たんだ。
長い夢。
Aが居なかった。
8歳の時も、次の年になっても、オマエはこの家に来なかった。
真一郎は死んだ。
殴られたってケーサツのおじさんから聞いた。
場地も死んだ。
一虎に刺された後、自分で自分の腹を刺してた。
そんな夢を何回も、何回も見た。
1度だけケンちんと一虎が死ぬ夢も見たことがある。
嫌に生々しくて、眠るのが怖かった。
なんでこんな夢見んのか分からなかった。
なにより、Aがオレの傍に居ないことが夢の中でも耐えられなかった。
｢大寿に妬いてたのは本当。
……けど最近Aがオレの前から居なくなるんじゃないか、って怖くなるんだ
これが1番の理由。
オレのそばにAが居ないと、不安。｣
A、Aは何を知ってるの？
オレの夢ってAと関係あるんじゃないの？
どうしていつも1歩距離を置くの？
どうしていつも、自分を犠牲にして助けてくれるの？
もしオレがそれを知っちゃったら、Aが居なくなるんじゃないかって思った
｢……ねぇ万次郎くん、｣
オレね、Aと目が合う瞬間が好き。
オマエは友達なのに、なんか母親みたいな目で見てくんの。
あったかくて、大好き。
｢私、居なくなったりしないよ。
万次郎くんを置いてったりしないよ。｣
｢ホントに？｣
｢うん、本当。｣
オマエが笑う顔も好き。
｢……Aはたまにオレにも嘘つくからなー｣
｢芭流覇羅のことまだ根に持ってます？｣
｢うん、もってる。｣
｢えぇ……ごめんね……｣
A、すき。すきだよ。
けど、そう言ったらオマエが困るのも分かってるから。
きっとまだ言う時じゃないから。
｢じゃあさ、約束してよ
Aが無理したら、オレもする。
Aが死んだらオレも死ぬ。｣
だから自分のことも大切にして、って。
オレから離れないで、って。
｢……ちなみに拒否権｣
｢ない！！総長命令だ！！｣
｢……もー、しょうがないなぁ｣
でも死ぬのはダメ、だってさ
優しい優しいA。
かわいいかわいいA。
オマエは一体、何を知ってるの？
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ちちんぷいぷい(プロフ) - だいすきです (2023年2月7日 16時) (
レス) @page30 id: 54d9d9d1c8 (このIDを非表示/違反報告)
楓 - とても素敵な作品でした！すごく感動しました。とても読みやすかったです (2022年1月17日 20時) (レス) @page30 id: 67c6d12317 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - ぴのさん» ありがとうございます！！そっちでもお話し出来ると嬉しいですっ！！ (2021年12月21日 20時) (レス) id: bf73164f8f (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - 凛さん» もちろんです！！今から読まさせてもらいますー！！^^ (2021年12月20日 22時) (レス) id: 49dec086fe (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - 楓さん» 嬉しいお言葉です…！！ご愛読ありがとうございました！！ (2021年12月20日 22時) (レス) id: 49dec086fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴの | 作成日時：2021年12月12日 0時
