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Side RYOTA




いつだったか、なんで留学しようと思ったのか聞いたことがある。

中学を卒業してから3年間ずっとイギリスの学校に留学していたと聞いたから、それが気になって。


なんてことない会話のつもりだった。

ちょっとした好奇心。


身体を合わせる回数は増えたのに、そういえばAのことなんも知らないなって思ったから。




『…そんなことどうでもいいじゃん』


だけどAは、感情のこもってない声でそう呟くと、早くしてとせがむように俺の首に細い腕を巻きつけた。

いつもならすぐ始めようとする俺に対して、不満げな顔をするくせに。



「え、いいじゃん。教えてよ」


そんなAの腰を抱きながら、空気も読めずに俺は会話を続けた。


意図なんてない。

ふと気になった会話を続けただけ。


俺にとっては意図のないどうってことない会話が、Aにとっては地雷だってことすら知らずに。




『別に。母親の邪魔者を見るような目にうんざりしたから』

『たまたま受かったからイギリスにしただけ』

『もともと義務教育が終わったら寮のある学校にでも行こうと思ってたし』


機嫌を損ねたAは俺から離れてそう言い捨てた。



「邪魔者…?」

『私は父が余所の女に産ませた子だから、母は私の存在が疎ましかったのよ』

「そんなわけ…」

『誰にも愛されたことないから。私』

「や、だって、留学の費用とか仕送りだってしてくれてたんだろ?」

『お金を出すから愛されてるって考え、短絡的すぎない?涼太が両親に愛されて幸せに育った証拠だよね』


ふっ、と鼻で笑うAの目は冷め切っていた。



「だって、…AをLDHに呼んでくれたっていうお兄さんは?」


Aの兄がLDHにいることは噂話に疎い俺でも知っていた。

それが、誰かすら興味のなかった俺がこんな質問するのはお門違いだと思ったけど、少しでもAが救われればいいと思ったんだ。



『別に。……涼太には関係ないじゃん』



だけど冷たく突き放されて、これ以上言葉が出てこなくなった俺は口を噤んでAをベッドに押し倒した。







 

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∵ R ∵ - 玲於くんがかっこよすぎて、涙が止まりません…(感泣) (2017年4月10日 22時) (レス) id: bc068a0168 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 玲於の話好きです。 (2017年1月4日 15時) (レス) id: 37f184468a (このIDを非表示/違反報告)
マダムムラサキ(プロフ) - 風すけさん» ありがとうございます!!読ませていただきます (2016年8月5日 21時) (レス) id: cdbc4f2c0b (このIDを非表示/違反報告)
風すけ(プロフ) - こんにちは、おそくなってすみません。そうですね、なかなか300まで遠いです。今、新しい小説を書いているのでゆっくり300を目指そうと思います。新しいのを見たいって言っていただけてすごく嬉しいです。ありがとうこざいます! (2016年8月5日 17時) (レス) id: 9031f63977 (このIDを非表示/違反報告)
風すけ(プロフ) - 遅くなってごめんなさい。リクエストありがとうございます。了解しました! (2016年8月5日 17時) (レス) id: 9031f63977 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:風すけ | 作成日時:2016年3月9日 15時

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