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ヒュゥ、と乾いた秋の風が頬を切る。
昼間は暖かくても、夜はやっぱり少し寒くて身震いをすると、チャニョンは『さむいね』と少し私にくっついた。
数日間あった学祭ももう終わり、残るプログラムも後夜祭のエンディングに控えている打ち上げ花火だけとなった。
「チャニョン、初めての大学祭どうだった？」
『楽しかったです！』
「なら良かった〜！あ、もう始まるよ」
ドン、と低く重い音が体を駆け巡ると、目の前には色とりどり輝く花火が広がる。
小さく煌めく光も、大きな存在感で圧倒してくる花火も、その一つ一つがきれいで、少し切ない。
すごく、綺麗。
『…ヌナが一緒だったから』
「ん！？なにー！？」
チャニョンは横でボソボソと喋っているが、花火の大きな音で何も聞こえない。なんでこんなに声小さいの？
『ヌナが一緒だから楽しかったです！』
「あ、え！？なんか、ありがとね！？」
『これからも、一緒にいたいです！』
「え、」
花火に負けじと大きな声で喋るチャニョンに相槌を打っていたら、思いもよらない言葉が聞こえてきて慌てて声のする方へ顔を向けた。
チャニョンは声を出し切ったぞ！と言わんばかりの満足気なニンマリ顔で花火を見ている。
その瞳に写った花火の欠片があまりにも、どんな花火よりも綺麗で
花火の打ち上がる音に勝る私の心臓の鼓動が、やけに頭に響いて離れなかった。
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作者名：天然水 | 作成日時：2024年2月18日 23時
