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19:誰の子? ページ19

.








「・・・誰の子?」




「・・・。」






心做しか、宏光の声が震えているような気がする





泣き止まない宏斗の顔は



やっぱり・・・宏光にそっくりで。









だから、気づかれてる気がして・・・


否定したいのに声が出ない








“ 里奈の子供 ” だなんて

嘘をつけるだろうか









宏斗の耳に私の嘘を聞かせたくない。


宏斗の母親であることを否定したくない。







だけど、



今ここで・・・宏光に何もかも知られたら



ここまで踏ん張ってきた意味ないじゃん









ねえ、どうしたらいい?




今この時間は私にとってあまりにも酷だ。









「・・・誰の子って聞いてるんだけど」




「・・・。」




「もしかしてさ。」




「・・・。」




「俺の前から急に居なくなったのは
・・・これが理由なの?」





「・・・。」









ダメだ・・・気づかれちゃう



知られちゃう







このままじゃだめなんだ。







今ここで知られてしまったら・・・、









「この子は、里奈の子だよ。」









死ぬほど言いたくなかった言葉を、




とうとう私は




宏斗の前で




父親である宏光に言ってしまった。












「・・・お前、いつからそんな
平気で嘘つけるようになった?」




「・・・。」









宏光の声が冷たくて、


目を合わすのも怖い








どうして嘘って・・・すぐにバレたのか


混乱した頭でも


馬鹿なことを言ったと今気づいた。




この2年で宏光が里奈に会うことがあったなら


そんなの嘘ってすぐ分かるもんね




里奈のお腹はここ2年で大きくなってないし


それに、里奈は高校の頃から宏光と仲いいから


子供を授かったら、


報告するに決まってる。







マユちゃん達の時だってそうだったのに・・・、









苦し紛れについた嘘のせいで、


宏光は私に更に冷たい視線を向ける


それはこの子に対しても同じ・・・。









「どう見ても、お前に似てるんだけど」




「・・・。」




「どういうこと?説明しろよ、」









その一言で、宏光はきっと
この子が自分との子だなんて

思ってないんだろうなって気づいた。

20:愛しすぎる宏光。→←18:宅急便。



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むむそ(プロフ) - 難しいお話かもしれませんがとっても好きなお話です…!更新楽しみにしております…!! (2023年4月7日 21時) (レス) @page21 id: 4e14cc707d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴの。 | 作成日時:2022年12月24日 6時

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