病人介護 ページ43
「A？ベッド連れてくで？」
「ん…」
辛うじて頷いたAの首と膝の裏に手を差し込み
よいしょ、と持ち上げる
「おひめさまだっこ！ままいいなぁー！」
「パパすげー！力もち！」
子供達に褒められながら寝室へ向かった
「下ろすで？」
声をかけそっとベッドに下ろし布団をかける
「や、俺も悪いんやけど…何でんな頑張るかな…」
Aの上気した寝顔を見て思わず呟くと
「せん、ぱい…」
目を閉じたままそう答えた
「先輩？」
こいつまさか、俺じゃない誰かに助けを？
…不倫？誰や？濱ちゃん？照史？淳太？
「せんぱ…おんな…ごはん…らい、でぃず、にー…」
「先輩、女、ご飯。らい、あ、LINE、ディズ…あ」
それで俺を疑って？
不倫は俺の方か…って違う違う、ちゃうねん。
「A？お前が元気になったら全部説明するから
今は休め。ええな？」
コクコク頷いたのを確認し
顔にかかった髪をどかし立ち去ろうとすると
その手を掴まれた
「もうちょっと、いて」
「…分かった。おる」
安心したように口角を上げ
規則正しい呼吸を始めたAの手を
そっと、ぎゅっと握り直した
-Aside-
「説明してくれるんじゃないの？」
「おま、鬼か…」
「話が違うじゃん話が」
「よぉ覚えてたな39度5分の時の会話…」
あれから数日
すっかり元気になった私の熱を吸うかのように
今度は大毅が微熱を出した
子供達は中間先輩の家に避難中
「はやく！」
「お前には慈悲っちゅうもんないんか」
「誰のせいで無理したんだっけ？」
「わぁーったって…」
タイミング悪っ…なんてぶつぶつ言いながら
布団から片腕をブンッと出し
「ん？」
「本棚引き出し真ん中。開けてみぃ」
言われた通りにするとそこには
綺麗な箱と見覚えのある小袋
「せめて俺の見える所座れ。開けろ」
「いいの？」
「もう開けへん選択肢ないやろ」
諦め顔の大毅に見守られ箱から開けた
「え、これ」
中から出て来たのはガラスの靴のオブジェ
「憧れやったんやろ？小さい頃からの」
「…うん」
パッと夢の国で大毅が女の先輩と歩いている光景が浮かぶ
「もう片方も」
「…うん」
ゆっくりと開けるとそこには
フローラルな香りのハンドクリーム
「これって、先輩の誕生日プレゼントの時の…」
「お前の好きなもん選べ言うてるのに
何で明らか欲しくないもん買わせたん」
「何で突然…？」
そう聞くとさらにはぁ、とため息
「結婚記念日。誕生日」
「…あ」
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てでぃー(プロフ) - 涼子さん» こんにちは！もう本当すみません勝手な作者で...お詫びしてもしきれないです。これからもペースは乱れるかもしれませんが最後までお届けするのでよかったらお付き合いください！ (2019年11月1日 2時) (
レス) id: c63a04b9f2 (このIDを非表示/違反報告)
涼子 - こんにちは。初コメ失礼いたします！てでぃーさんのお話、めっちゃ待ってました！更新楽しみに待ってます♪ (2019年10月28日 14時) (レス) id: 1a62da02fe (このIDを非表示/違反報告)
てでぃー(プロフ) - お腹がぐーさん» 私情だけでここまでお待たせして本当にごめんなさい。私のことまでお気遣い頂きありがとうございます...！長い謝罪文まで読んで頂いて...感謝で一杯です。ここからは最後まで駆け抜けるので楽しんで頂けると嬉しいです！ (2019年10月13日 16時) (レス) id: c63a04b9f2 (このIDを非表示/違反報告)
お腹がぐー(プロフ) - お帰りなさいです！！ずっと待ってました！って言ったらご負担になるかもしれませんが、更新楽しみにしてました！48話までお疲れ様です！ご自身の負担にならないようてでぃーさんのペースで頑張ってくださいね！！ (2019年10月13日 0時) (レス) id: ca69037cc0 (このIDを非表示/違反報告)
てでぃー(プロフ) - お酢んさん» 返信大変遅くなってしまい申し訳ございません...作者の幸せまでも祈ってくださる素敵な読者さん、私なんかには勿体ないくらいです。ありがとうございます！更新頻度の関係で少しどころか大分かかってしまいそうですが気長に待ってやって頂けると嬉しいです。 (2019年6月24日 12時) (レス) id: 33d243e6e7 (このIDを非表示/違反報告)
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