カフェホリック男子 [桃]

全てが始まるお節介 ページ1

全てはあのお節介から始まった



ある日いつも通り登校しクラスに入ると
クラスの隅に固まる女子たち

真ん中には私の友達



「大丈夫だよそんな落ち込まないでも」

「十分頑張ったよ！」


女子たちが口々に慰めの言葉を投げかけ
それに何度も頷く友達



「あっA！」

「おはよ！こっちこっち！」



「おはよう…？」


謎に思いながら近づいて行くと
何と友達は顔をグジョグジョにして泣いていた



「ちょ、朝からどうしたの？」

「こ…ふ、ふ…」



「こ？ふ？」

「告って…振られた、の…」



「まぁ…世の中に男なんて死ぬほどいるし
そんな落ち込まなくてもいい…んじゃないかな」

「違うの！振られたのが悲しいんじゃなくて、振り方…」


「振り方？」

「そ、何か…」



相当こっぴどく振られたのか
思い出して本格的に声を上げ泣き始める友達


「誰に告ったの？」




「…こたき、くん」




あぁ…あの人。


去年の冬引っ越して来て以来女子に大人気で
確か今年同じクラスの。

よくその人に告白して
玉砕した女子が泣いてるのを見るけど

まさか私の友達まで…



「分かった。私が謝れって言って来る」

「い、いいよ、Aにも迷惑かかっちゃうし」


「大丈夫、全然興味ないし
1回誰か言った方がいいでしょ。だから元気出して？」


「ありがと…あのね？」

「うん、何？」



「小瀧くん、私のこと振る顔までかっこよかった…！」



また嗚咽を漏らし泣く友達に
分かるよ、と頷く女子たち

…どういう状況？どういう感情？悲しいの？嬉しいの？



こんなこと考えてる間に
さっさとやめとけばよかったのに。



そしたら…運命は、違ってたかもしれない。






『お昼、話したいことがあるので屋上に来てください』


友達に教えてもらったその人の机に手紙を投函



満足して席に戻るとちょうどあいつが入って来た



「あぁーだる！この後授業とか無理なんやけど！」

「体力バカでも？」


「せめて健康体って呼べ、お前と違って
こっちは朝練したんやからな！それも筋トレ！」

「選んだ部活が悪い」



ヘェー、と変顔をしてから
椅子に仰け反るこの人は重岡大毅

高校入学以来3年連続同じクラス



「そーいやお前さっき」

「ん？」


「小瀧ん机に何か入れてへんかった？」

「あぁあれは」



「えっもしかして！えぇ！？
よりによってお前が！？小瀧を！？
お前あーゆーのが趣味やっけ！？」


「主語も述語もなさすぎて何言ってるか分かんないんだけど」




「こくっ…告る、んか」


「はぁー！？」

3年連続同じクラスのしげ→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す