カラフルクリスマス [JW] 短編集 (ページ31)

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Pink Magic ページ31

12月24日、クリスマスイヴ

腕時計は8時15分を指している

8時に駅で待ち合わせだから完全に遅れている

なんでいつもこうなっちゃうんだろ…

着いたはいいけど見つからなくて大急ぎで電話をかけた

『もしもしー』

「もしもし望！？どこ見つからない！」

『えー俺結構でかいから分かりやすいやろー笑』

「ごめん、探してはいるんだけど…」

『ふふっ1回落ち着こ？今な、電柱の所におる』

「電柱…」

とりあえず近くにあった電柱の方に歩いてみると
それに身体を預けてスマホを耳に当てた一際背が高いあの人

「いた！」

電話を切って走って行くとスマホを耳から離した彼は笑っていた

「危ないやんヒールで走ったら笑」

「はぁっ、ごめん、待たせて…」

「ほんまめっちゃ待ったわーもー」

「そうだよね…」

「なーんて、俺も今来たとこ。行こ？」

差し出されて繋いだ手は冷え切っていた

罪悪感が募っていつも通りに話せない

「…もしかしてまだ責任感じとるん？」

「なんで分かったの！？」

「俺らもう何年付き合ってる思ってるん？こんくらい分からへん訳ないやん笑」

ええのに別に、なんて笑う望

「ほんまいっつも言うてるけどやめた方がええよ？気にしすぎるん笑」

「何かねーやめられないんだよねー」

「女の子は準備に時間かかるもんやって姉ちゃん見て知っとるし」

「でも…」

「ま、俺はAのためなら3時間でも、いや1日でも待つから」

「…ありがと。何か…いつもと違う、望」

「そー？」

「てっきりまたすごいいじられるかと思った。何か…甘い？」

「せっかく甘々のんちゃん発動したんに逆に甘くない方がええの？
もー欲しがりやなぁーAちゃーん？」

「はぁ！？違うし！」

「とことんウザ絡みしたろかー？」

「望のウザ絡みは本当にカロリー高い、普段の絡みでも十分なのに…」

「えー？こんな犬系イケメンが彼女を困らせるような絡みする訳ないやないすかぁー」

「白々しすぎ笑」

唇を突き出して困り眉にした望は
私が普段通りに戻ったのを見て目を細めた

「そない俺のこと気になるなら、せやなぁ…

温かい飲み物とか飲み行こーや」

「うん！」