*36【降谷さんの心境】 ページ44
*降谷
『おて!』
「わんっ!」
『おすわり!』
「わんっ!」
『coming!』
「ワォンっ!」
『きゃー!!可愛い!!』
…一体俺はなにを見せられてるんだ。
自分で作った肉じゃがをもぐもぐと食べながら、目の前でじゃれあってるハロとAを見る。
思い出せ。どうしてこうなった。
まず、Aを工藤邸から連れ出したんだ。
なぜそんなことしたかというと、理由は単純明解。
俺が我慢できなかった。
だって考えてみてほしい。
好きな女(両思いだと確認済み)の服が工藤邸(沖矢という男が住んでいる家)にいくつか常備してあるらしい。
なぜそんなことをしているのか聞くと、よく泊まりに来るから置いていると言う。
ホォー?お前らは一体どう言う関係だ。
いくら昔からの知り合いだからと言って、そう簡単に男が1人で住んでいる家に、女がやすやすと泊まりに行くか?
これはきちんと説明してもらう必要がある。
第一、好きな女性に他の男の匂いがする服を着て欲しくない。
そう考えてもおかしくはないと思う。
だから、ぎゃあぎゃあと騒ぎ立てるAを無視してここに連れてきた。
でも、本当の試練はここからだったらしい。
家に着くと、いつもと同じようにハロが出迎えてくれた。
それを見たAは、持っていたカバンをストーンと地面に落として一言。
__可愛いすぎる。
もうそこからの展開は早すぎて途中で見るのをやめた。
いつのまにかハロを抱きしめてるし。
いつのまにかハロと仲良くなってるし。
いつのまにかcomingとか訳の分からないものを覚えさせてるし。
とりあえず、文句を言うAに俺のスウェットを押し付けてその後は放置した。
だけど、肉じゃがを作りながらも心の中はモヤモヤしていた。
ハロに嫉妬してるのか、Aに嫉妬しているのか、よく分からないこの状況。
本当は、沖矢との関係とか、別れる寸前の会話に出てきていた “彼” という人物についても、根掘り葉掘り聞こうと思っていたが、そんなこともできるはずがなく、今に至る。
『ハロちゃんはいい子ねぇ。飼い主と違って』
「クゥン…?」
「おい。黙って見ていれば、何言ってるんだコラ」
『キャーコワイー』
「……」
少しキッと睨むものの、楽しそうにしているAとハロを見て、あっさりと許してしまう。
仕方ない。今回は諦めるか。
そう思いながら、肉じゃがを再び口に運んだ。
『ハロちゃん、連れて帰ろうかな…』
「ハロはやらないからな」
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はりねずみ。(プロフ) - 由羅さん» 神だなんてもったいないお言葉です……!ありがとうございます! (2020年3月15日 17時) (レス) id: f57cf1299c (このIDを非表示/違反報告)
由羅(プロフ) - 神、神ですね……神としかいいようがないです (2020年3月10日 14時) (レス) id: a829207c12 (このIDを非表示/違反報告)
はりねずみ。(プロフ) - 笑々さん» ありがとうございます!!笑っていただけて嬉しいです!私自身、そんな感じの会話が大好きなので、安室さんたちにもやってもらいました笑 ありがとうございます! (2019年10月10日 23時) (レス) id: 2649fb9203 (このIDを非表示/違反報告)
笑々(プロフ) - 名前を呼ばせるところで、早すぎだろなんか腹立つな は声をあげて笑いました笑 ありがとうございます笑 (2019年9月23日 10時) (レス) id: f052978bd7 (このIDを非表示/違反報告)
はりねずみ。(プロフ) - ここねさん» きゃー!ありがとうございます!!とても!すごく!本当に嬉しいです!!続編でも面白さとキュンキュンを追求してお話を進めれるように頑張りますね!これからもよろしくお願いします! (2019年5月12日 17時) (レス) id: 2649fb9203 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はりねずみ。 | 作成日時:2018年12月12日 7時